Project/Area Number |
23K09490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大久保 昌和 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90307877)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 臨床推論 / 歯科医学教育 / 国際口腔顔面痛分類 / 口腔顔面痛学 / カリキュラム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、既述の研究実施計画に基づき、口腔顔面痛患者の医療面接や診断プロセス、歯科医師の判断を定量し、それらのプロセスや判断に関連する因子の解析を通じて、確率論からみたよりよい医療面接や臨床推論のアルゴリズムを解明することをゴールとして、①口腔顔面痛細分類の事前確率、②症状や検査の尤度比の解明を目指す。また、歯科医学教育における臨床推論技能教育カリキュラムを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は国際口腔顔面痛分類に基づく臨床推論アルゴリズムを解明し教育カリキュラムに展開することを目的として研究,教育,臨床領域の活動から構成され,令和5年4月より研究機関における患者情報の収集を開始した。5月には米国口腔顔面痛学会学術大会にて,糖尿病により生じた極めてまれな口腔顔面痛症例について発表した(Journal of Oral & Facial Pain and Headache. 2024.)。7月には第36回日本顎関節学会学術大会にて最も一般的な非歯原性の口腔顔面痛である顎関節症(TMDs)の歴史的変遷についてシンポジストとして調査研究結果を報告した。8月には教材として「口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック 第3版(医歯薬出版)」を分担執筆し出版された。11月には第28回日本口腔顔面痛学会学術大会にて国際口腔顔面痛分類に基づく臨床推論(テーマ:私の歯の痛みをなおしてください)と題したリフレッシャーコースのコーディネーターと座長をつとめさせて頂いた(デンタルダイヤモンド誌に掲載予定)。また,見逃してはいけない口腔顔面痛に関する教育セミナー(Red flagを探せ)の座長もつとめさせていただいた。さらに,The 21st Scientific Meeting of the Asian Academy of Orofacial Pain and Temporomandibular Disordersのシンポジウムにて米国科学アカデミーから出版された「TMDの理解と治療における改善勧告」に関する調査と翻訳に基づく研究結果を報告した。そのほか令和5年度に発足した痛覚変調性疼痛研究会や日本頭痛学会,日本慢性疼痛学会への参加や日本痛み関連学会連合の事業に参加し患者ケアのための自己研鑽と情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績に記載したように,本研究は研究,教育,臨床領域の活動から構成されている。令和5年4月より研究機関における患者情報の収集を開始し,口腔顔面痛患者の症例集積は順調に進んでいる。とくに約40名の三叉神経痛患者の診断アルゴリズムの検討を開始しており解析を進めているところである。また,国際口腔顔面痛分類をはじめとして諸外国で出版される様々な疼痛関連情報のアップデートも国際学会会員資格の維持や学術大会へ参加することで収集し翻訳のうえ調査研究そして報告することが可能となっている。さらに,日本痛み関連学会連合を構成するあらゆる関連学会に参加することにより最新の情報提供を受け研究の方向性の修正などに役立てられている。教育への展開の部分では,令和5年度は学術大会を中心とした医療者向けの情報提供に留まっているが,歯学生への学修マテリアルの提供するための方略もまもなく準備完了できる予定ある。一方,当初予定していた診断推論のアルゴリズム解明のためのマシーンラーニングに向けたワークシートのデザインやデータベースの構築については着手がやや遅れている。その理由として過去1年間で我が国におけるAIの導入と国民の理解が急速に広がっており,本研究代表者もAI導入を視野に医学研究分野でAI開発をすすめている研究協力者を模索しているためである。この問題をクリアーできれば,あらゆる口腔顔面痛について患者情報をAIに学習させ診断に導くシステムが構築できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔顔面痛学の教育調査研究に関しては,本年度は米国口腔顔面痛学会に参加して世界の教育研究者との交流と各国の医療制度やカリキュラムといった教育事情について情報収集を行い調査報告を予定している。つぎに口腔顔面痛患者の症例集積に関して,遅れているワークシートのデザインやデータベースの構築については可及的速やかに医療AI研究者等の協力を得て準備に着手したいと考えている。また,すでに開発されている口腔顔面痛の臨床推論を学ぶための学修アプリの歯学部学生への提供とその学習効果に関する研究についても提供する情報端末の準備が整った時点で開始できる予定である。引き続き,慢性疼痛に関する厚生労働事業や共用試験をはじめとした歯学あるいは医学教育の方向性についての調査もあわせて継続していく予定である。さらには,痛覚変調性疼痛研究会や日本頭痛学会,日本慢性疼痛学会への参加や日本痛み関連学会連合の事業へも関与して行くことを希望しています。
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