Project/Area Number |
23K09562
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
瀬戸山 陽子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20649446)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 障害のある医療者 / 障害のある医療系学生 / Diversity / Inclusion / Equity / Justice / 医療の質 / 障害のある医療職 / エンパワメント / 多様性 |
Outline of Research at the Start |
障害学生数は過去15年で8.5倍に急増し、障害学生への支援体制が整いつつある。しかし医療系の障害学生に関しては、支援体制には非常に課題が多い。本研究の目的は、障害のある医療系学生が他の学生と共に学ぶ環境整備を目指して、支援者である教職員が活用でき、かつ当事者のエンパワメントに役立つ情報作りとその公開を行うことである。調査は、日本の医療系学生の障害学生数と配慮内容の全体像を把握するアンケート調査と、障害のある医療者や医療系学生の体験及び障害のある人の医療アクセス体験を明らかにするためのインタビュー調査を行う。結果を統合してウェブサイトを構築し、当事者と支援者双方に役立つ情報作りを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害のある医療系学生が他の学生と共に学ぶ環境や体制作りに役立つ情報を構築し、医療系の教職員の障害学生に対する支援と、これから医療者を目指す障害のある高校生や医療系学生のエンパワメントに役立てることを目指している。1年目は国内の既存資料レビューを行い、日本の医療系に限らない障害学生の現状を把握するとともに、障害のある医療系学生の現状や、文献として公開済みの障害のある医療系学生が直面する困難や、環境調整や合理的配慮について分析した。また障害のある医療系学生のインクルージョンを阻む原因となっている医療者にまつわる法律に残された障害にかかる欠格条項の問題についても調査を進めた。 国外の既存資料レビューでは、障害のある医療系学生数や医療者数に関する調査及び経年変化を把握すると共に、障害のある医療系学生のインクルージョンにおける構造的なバリアや医療者集団における文化や偏見、差別、さらに教育機関が定めているポリシーが障害のある人の排除に繋がっていることが明らかにされた。また医療系の障害学生に関してはその教育内容や環境の特殊性、医療系学生に障害のある人はいないだろうという教職員の思い込み等から、全学における障害学生支援窓口(Disability Service等)が設置されていても、それを十分に活用できていないことが示された。これは日本においても同様の課題が考えられるため、今後の調査に活かす計画である。 当初本研究の3年目に、障害のある医療系学生や医療者、及び教職員や共に働く同僚に向けてのウェブサイトを構築する予定であったが、2024年4月に改正障害者差別解消法の施行があり医療系の教育機関でも障害のある学生への対応等のニーズが高まっていることを受け、当初の予定より前倒しして「障害のある医療系学生・医療者支援ネットワーク」と題したホームページを開設した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果物として公開することを計画していた障害のある医療系学生や医療者のエンパワメントを目指した情報源としてのホームページは、有識者よりヒアリングを重ねた結果、周囲にいる教職員や同僚等も対象に含めて「障害のある医療者・医療系学生」に関心のある人がワンストップに情報が得られるホームページにすることにした。当初は3年目(2025年)に公開を予定していたが、2024年4月の改正障害者差別解消法施行にあわせて多くの教育機関や医療機関で障害のある人のインクルージョンに関してニーズが高まっていることが分かったため、前倒してホームページを公開している(「障害のある医療系学生・医療者支援ネットワーク」)。コンテンツは今後逐次更新を行う。2023年度は文献レビュー及びホームページ公開を優先したため、当初1年目に行う計画としていた医療系の教育機関対象の調査が完了していないが、現在準備中である。一方で、2年目の2024年度に予定していた障害のある医療者のインタビューに関しては、現在障害のある看護職のインタビューを実施中である。2023年度に予定していた米国を中心とした障害のある医療系学生・医療者支援のプロジェクトを行っているDocs with disability Initiativeや、2000年より看護職支援を行っているExceptional Nurse等の海外視察に関しては、先方との予定調整が完了していないが、2024年度以降に行う予定である。 以上から2025年度に行う計画であったホームページの更新を前倒して行っているため全体の研究計画が変更になっている箇所はあるものの、概ね順調にすすめられているものでる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度内に医療系の教育機関を対象として、医療系の障害学生の全体像や行っている合理的配慮の内容に関して把握する目的の調査を行う。改正障害者差別解消法施行が施行された年度になるため、教育現場の意識も変化があったという意見もあり調査を行いやすいタイミングであると考えている。2024年度前半で対象となる教育機関情報の整理や、有識者からヒアリングをした上での調査票の作成、及び倫理審査委員会での審査を終えて、2024年度後期に調査を行う計画である。 また海外視察に関しては円安等の影響があるため計画時よりも予算がかさむことが予想されている。そのため2箇所の視察を行うことが可能かどうかは検討が必要であるが、1箇所の訪問になったとしてもオンラインで面談を調整し、米国の実情に関して有識者からの意見を仰ぐ機会を得ることを考えている。 障害のある医療職のインタビューに関しては、障害のある看護職のインタビューに関しては20名のインタビューを終えているため順次収集したデータの分析を進めていく。 既に公開しているホームページに関しては、引き続き有識者の意見を仰ぎ、障害のある医療系学生や医療者、周囲の人々のニーズ把握を行いながら必要なコンテンツに更新をしていく。また、研究成果物も適時にホームページ上で公開していく計画である。
|