Project/Area Number |
23K09578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉井 健悟 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90388471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 生光 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198305)
大井 達雄 立正大学, データサイエンス学部, 教授 (10367881)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 地域医療構想 / 病床機能評価 / 公的医療データベース / 地理情報システム / 病床機能分化 / 保険医療政策 / 時空間統計解析 |
Outline of Research at the Start |
地域医療構想は、将来の医療需要をもとに効率的な医療提供体制を実現する取り組みである。これまでに都道府県では、構想区域を定め、質の高い効率的な医療提供体制の再構築に向けて議論がなされているが、経時的な変化と地理的空間の相互作用を考慮した分析は進んでいない。 本研究は、医療関係者や地域住民の合意形成が得られにくい医療施設の最適配置を対象に時空間統計解析を応用し病床機能評価モデルの開発を目指す。これらの結果は、将来の医療提供体制構築に向けた根拠に基づく施策立案の基盤情報になり得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
地域医療構想は、医療計画の一部として高齢化や労働人口の減少による医療需要の変化を背景に、効率的な医療提供体制を構築する取り組みである。各都道府県では、これまでに二次医療圏を基本単位とする構想区域を定め、地域の医療関係者が参加する「地域医療構想調整会議」による協議を進めている。会議では、高齢化の進展に伴う人口構成の変化や病院の診療実績、地理的配置を考慮しつつ、医療機関の役割分担や連携について議論が行われている。議論の鍵となる病院再編や病床削減については、病院の経営悪化や地域住民の医療受診への不安が大きく、医療提供体制の再構築に関する議論が停滞している。 研究代表者らは、数理統計モデルによる医療提供体制の再構築が地域社会へ与える影響と医療機関の役割分担を明らかにすることを目指し、時空間統計解析の応用により人口動態と地域社会に与える影響を考慮した地域医療提供体制の評価モデルの開発を進めている。本年度は、解析用サーバーの構築と環境整備を実施した。次に、厚生労働省や都道府県が公開している人口動態統計や医療提供体制のデータを収集し、これらのデータセットの性質と特徴を分析した。 京都府の二次医療圏を対象とした調査では、病床機能区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとのジニ係数と、各医療機関から市町字の中心までのアクセス時間(車)ごとの人口カバー率を用いて、地域の医療施設の地理的分布の特徴を調査した。その結果、急性期病床数のばらつきが大きい医療圏では人口カバー率が高い傾向にあり、一方で慢性期では反対の傾向が観察され、二次医療圏別でみると病床機能別に空間パターンの偏りが存在することを示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者らは、厚生労働省や都道府県が公開している人口動態統計、病床機能報告、医療機関の位置情報を基に、病棟別診療実績の分析用データセットの構築を行った。本年度は、京都府の二次医療圏を対象に、病床機能報告の基本統計量と時系列分析、クラスター解析による可視化と相互の位置関係についての解析を実施した。この解析により、病床機能の地理的分布の偏りを定量的な基準を用いて示したことで、全国の病床機能分化の特徴抽出を検討する上での参考値となり得る。特に、地理的位置情報の活用により、医療施設のアクセス時間を用いた新たな評価指標に基づく地域偏在性の実態を把握することが可能となった点で、今後の地域医療提供体制の評価モデル構築に向けた基盤情報を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、地域医療提供体制の評価モデルの開発に向け、全国の病床機能報告を用いた多変量解析や機械学習法によるクラスター解析を行い、データの集積性や二次医療圏間の患者移動モデルの構築を行う予定である。これにより、各病床が示す傾向や性質を可視化および定量化し、病床機能分化の判別に有意に寄与する項目の抽出を目指す。また、総合診療・地域医療学の観点から医療機関の役割分担に関連する要因の抽出や病院評価モデルの検討を行うため、関本美穂(京都府立医科大学総合診療・地域医療学)が新たに研究分担者として加わり、研究を推進していく予定である。
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