Project/Area Number |
23K09579
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
助川 文子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60829646)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 祐子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (60289973)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 当事者参加型研究 / 自閉スペクトラム症 / 作業療法 / 子ども / 家族 / 作業療法士 / 協働 / ガイドライン / 一般向け |
Outline of Research at the Start |
一般社団法人日本作業療法士協会は,エビデンスに基づく医療(evidence-based medicine; EBM)を,エビデンスに基づく作業療法(evidence-based occupational therapy; EBOT)に発展させ,作業療法の明確化と実践への普及を目指し,2014年より「作業療法疾患別ガイドライン」の作成を開始した.本研究は,作業療法疾患別ガイドラインより「自閉スペクトラム症」の第1版をもとに,作業療法士,自閉スペクトラム症のある人とその家族が参加する,当事者参加型研究としてデルファイ調査を計画し,「自閉スペクトラム症作業療法一般向けガイドライン解説」の作成する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は探索的研究として当事者参加型調査,Brief online survey (Autism CRC,2022)を参考に,「自閉スペクトラム症のある人とその家族そして作業療法士への「短い質問」調査」を実施した.本調査では.当事者と家族そして作業療法士が,どのように作業療法を選択しているのか,また当事者の意思をどのように作業療法士が協働に反映させているのか検討した. 作業療法士より72件, 当事者と家族より25件の回答を得て,計量テキスト分析を行なった.作業療法士が想定した当事者の年齢の中央値は6歳であった.また家族の回答より,当事者の年齢の中央値は7歳であった. 作業療法士は,当事者の運動機能や集中力の向上など機能面の変化と,人への興味など社会性の改善を挙げ,次いで情緒の安定を作業療法の効果とした.一方,当事者と家族は笑顔の増加を効果として挙げた. 好きな作業療法は,双方トランポリンなど感覚・運動遊びが主だった.作業療法士は機能改善を目的とした視運動課題,更衣などADL,そして描画や書字など机上課題を,当事者が「嫌いな作業療法」として挙げたが,当事者と家族の1/3は,嫌いな作業療法は「特になし」であった.また当事者の回答を代筆した家族は,本人の表情や振る舞いから当事者の思いを理解できると述べたが,作業療法士は家族の捉えに加え,当事者の評価結果を踏まえて彼らの思いを解釈していた. 結果より,実際に行われる作業療法と作業療法による当事者の変化の関連は,作業療法の観点のない当事者と家族にとって理解しにくいことが示唆された.そのため当事者や家族が作業療法士と協働する際は,作業療法士による開始時の作業療法のガイドと説明責任が重要となることが推察される.これらを受け,作業療法疾患別ガイドライン「自閉スペクトラム症」第1版を基に,当事者参加型のデルファイ調査を進める.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「自閉スペクトラム症のある人とその家族そして作業療法士への「短い質問」調査」の論文投稿がやや遅れている.また,2024年度は,作業療法疾患別ガイドライン「自閉スペクトラム症」の第1版から,作業療法に関する21のクリニカルクエスチョン,そして各クエスチョンから推奨された評価と介入が,自閉スペクトラム症のある人と家族の実際の課題に対して,妥当性があるかを検証するために,デルファイ調査を実施する計画であるが,デルファイ調査において,自閉スペクトラム症をもつ成人と,未成年の対象児の家族より回答を得る際,予定していた質問紙郵送法より,対面の半構造化面接での回答の希望が多く,選定基準の決定がやや遅れている.現在,デルファイ調査の研究倫理申請書の作成準備を進めている.
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,作業療法疾患別ガイドライン「自閉スペクトラム症」第1版を基に,自閉スペクトラム症の当事者を含め,表面的妥当性を検討した説明文と,理解を助ける資料を加えたデルファイ調査の質問紙原案を作成し,6件法(1:全く重要ではないより,6:非常に重要である)と,原案を補充するための,自由記述の回答を求めるデルファイ調査を,3段階で実施する.段階ごとに原案の修正・追加をおこなった質問紙にて,次の段階に進めるが.結果から,自閉症のある人とその家族,そして作業療法士の同意基準を検討し,コンセンサスを得た評価と作業療法を示し,Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3.0に準拠する「一般向けガイドライン解説」を作成し,最終年度に,参加者に作業療法疾患別ガイドライン「自閉スペクトラム症一般向けガイドライン」発送した上で,パブリックコメントを集約する計画である.
|