Project/Area Number |
23K09648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奈女良 昭 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30284186)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 労働衛生 / 分析化学 / 中毒 / 実験計画法 / 産業中毒 / クロマトグラフィー / 誘導体化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、健康障害を及ぼす可能性の高い芳香族アミン類を対象に尿中芳香族アミン類やそれらの代謝物等の曝露マーカーの簡便かつ短時間で結果の得られる高感度・高精度な分析法を開発し、高度な分析技術や知識を持たない分析者でも正確な定量値の得られる実施可能なスクリーニング系を構築する。将来的には健康診断項目としての利用を考慮した多検体処理法も念頭に置き、その開発に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
6種類の代謝物(アニリン、アセトアニリド、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール、N-アセチル-p-アミノフェノール)を対象に誘導体化の検討を行った。無水酢酸や無水酢酸-d6によるアセチル化の場合、アニリン暴露者の尿に存在する化合物とアセチル化体が同じ化合物になる、ベースピークイオンが近接するなど質量数での分離が困難になるなど、尿中アニリンおよび代謝物の高感度の分析は困難と予想された。無水プロピオン酸によるアセチル化を行った結果、ベースピークイオンでの分離も可能となり、尿中アニリンおよび代謝物の高感度の分析が期待された。 実験計画法を用いて無水プロピオン酸による誘導体化を最適化した結果、無水プロピオン酸:0.1mL、水酸化ナトリウム:0.5mL、25℃10分の反応で最適となった。本条件で前処理した結果、0.05~10 μg/mL(SCAN)、0.01~2.0 μg/mL(SIM)の範囲で決定係数0.991~0.999の直線性が確認された。検出下限は10~50 ng/mL(SCAN)、2.0~10 ng/mL(SIM)であった。再現性を評価した結果、日内変動でAccuracyは95.1~104.2%、RSDは1.4~4.6%、経日間変動でAccuracyは89.1~107.4%、RSDは1.4~7.7%であり、再現性に優れていることも確認された。更に、各代謝物の安定性を検討した結果、尿試料では、p-アミノフェノールの濃度変化は著しく、可及的速やかに分析する必要のあることが示唆された。 加水分解条件の予備検討として、フェノールのO-グルクロン酸抱合体を起源の異なる5種類の酵素を用いて加水分解を行った結果、Helix pomatia由来の酵素では、反応が緩やかで迅速分析には不向きであることが推察されるなど、使用する酵素に特異性のあることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代謝物などの入手が困難であったが、高額である化合物もあったが何とか入手できた。実際の暴露者の試料入手には困難が伴うが、研究期間中に継続して入手に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
N-グルクロン酸抱合体についても加水分解を実施し、本研究目的の遂行に適した酵素の選定を行う。これらの得られた結果や確立できた前処理法を参考にして、MonoSpinを利用した微量抽出法での前処理を検討する。誘導体をMonoSpinで抽出する場合には、オクタデシル基(C18)の結合したMonoSpinを用い、検出下限値の要求濃度を加味しながら検査試料量や回転数など保持の最適条件を検討し、尿中での加水分解→溶液中での誘導体化→抽出・精製といった一連の前処理工程の簡素化・迅速化する方法を確立する。また、バリデーションデータを採取し、実用化に耐えうる手法であるかの検討を加え、逐次改良を加えていく。さらに、LCMS法との簡便性や再現性などの比較検討を行い、実用的な分析・検査法に適した方法の選択を行う。実用化および方法の改良には、労働衛生関連の分析専門家である中央労働災害防止協会の竹内靖人氏(研究協力者)の協力・助言を得る予定である。 本研究で得られた成果は、健康に障害を及ぼす芳香族アミン類を対象に曝露マーカーとなりうる尿中芳香族アミン類とそれらの代謝物等の簡便かつ高感度・高精度な網羅的分析を可能とし、分析の専門知識や技術を持たない人でも正確な定量値の得られるハイスループットなスクリーニング法の構築に期待が持たれる。
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