Project/Area Number |
23K09772
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤田 友嗣 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50721974)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 界面活性剤 / 急性中毒 / 中毒 |
Outline of Research at the Start |
我々の身の回りは界面活性剤を含有する製品で溢れており、身近に存在し容易に入手できることから、界面活性剤を原因とする中毒の発生は後を絶たない。中毒起因物質の同定において、代謝物に関する情報は有用であるが、ヒトにおける界面活性剤の代謝に関する報告は少なく情報が十分でない。本研究では、代謝物の構造推定に極めて有効な高速液体クロマトグラフ精密質量分析装置(LC-TOF/MS)を用いて、界面活性剤の中でも非イオン性(ノニオン性)界面活性剤に関して検討を行い、ノニオン性界面活性剤のヒトにおける代謝物および代謝経路について明らかにし、界面活性剤中毒の科学的証明への貢献を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
我々の身の回りは界面活性剤を含有する製品で溢れており、誤飲、いたずらによる混入、自他殺目的などによる界面活性剤中毒の発生が後を絶たない。中毒起因物質の特定に関して、血液や尿などの検査試料から未変化体を検出することが困難と判断される状況では、その代謝物をターゲットとした薬毒物分析を行う必要がある。しかしながら、界面活性剤ではヒトにおける代謝に関する報告が少なく、その情報が十分でない。そのため、界面活性剤中毒では代謝物をターゲットとした薬毒物分析が極めて困難である。そこで申請者は、界面活性剤のヒトにおける代謝物および代謝経路を明らかにすることを目的とした。 本年度は、界面活性剤のLC-TOF/MSを用いた分析方法を確定後、洗濯洗剤を摂取した界面活性剤中毒患者の実試料に応用した。分析試料は摂取した洗剤、吐しゃ物、血液、尿であり、これらのうち、まず、摂取した洗剤と吐しゃ物について分析し解析を行った。その結果、摂取した界面活性剤の主成分はポリオキシアルキルエチレンアルキルエーテル(C12-POEPOPAE)、組成式CH3-(CH2)11-O-(C2H4O)m-(C3H6O)n-H、m=12~25、n=2~6の非イオン性(ノニオン性)の界面活性剤であることを特定した。次いで、尿試料を分析し、得られたデータからC12-POEPOPAEの代謝物と推定される化合物をリストアップした。摂取した界面活性剤および代謝物の探索には、界面活性剤のデータベース(精密質量、同位体分布、リテンションタイム)を用いた。次年度以降、これらのリストアップされた代謝物について精査していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は界面活性剤のLC-TOF/MSを用いた分析方法を確定後、洗濯洗剤を摂取した界面活性剤中毒事例の実試料に応用した。分析試料は摂取した洗剤、吐しゃ物、血液、尿であり、これらのうち、まず、摂取した洗剤と吐しゃ物について分析を行った。その結果、摂取した界面活性剤の主成分は、ポリオキシアルキルエチレンアルキルエーテル(C12-POEPOPAE)、組成式CH3-(CH2)11-O-(C2H4O)m-(C3H6O)n-H、m=12~25、n=2~6のノニオン性界面活性剤であることを特定した。次いで、尿試料を分析し得られたデータから代謝物の探索を行い、C12-POEPOPAEの代謝物と推定される化合物をリストアップした。界面活性剤の主成分および代謝物の探索には界面活性剤のデータベース(精密質量、同位体分布、リテンションタイム)を用いた。 LC-TOF/MSの故障とその修理に大分時間を取られたが、血液以外の試料は測定できており、研究の進捗状況は概ね予定通りであると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、尿試料の分析によりリストアップされたC12-POEPOPAEの代謝物と推定される化合物について、さらに精査していく予定である。なお、予想した以上の代謝物が候補としてリストアップされた。代謝物の解析は複雑で非常に時間がかかるため、次年度は、解析を手伝って頂ける分担研究者を追加する予定である。また、まだ測定が行われていない血液試料についても分析を実施し代謝物の解析を行う予定である。
|