筋萎縮性側索硬化症患者の終末期緩和ケアの実態把握に基づく看護ケアの確立
Project/Area Number |
23K09948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
松田 千春 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 主任研究員 (40320650)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 人工呼吸 / 緩和ケア / 看護支援 / 苦痛症状 / オピオイド / 終末期 / 医療処置 / 神経難病 / 終末期看護 |
Outline of Research at the Start |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の終末期の実態はほとんど明らかになっておらず、看護支援のあり方は未確立な状態にある。ALS患者の終末期の実態の全容を把握し、終末期の症状と看護ケアを明らかにし、難病看護の専門性に裏打ちされた緩和ケアの専門的視点を得るため、緩和ケアチームの看護師の支援内容を分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の終末期の実態はほとんど明らかになっておらず、看護支援のあり方は未確立である。本研究では、ALS患者の病初期から最終末期に至るまで、専門性の高い看護ケアを継続して提供できるように、ALS患者の終末期の実態の全容を把握し、看護支援内容および支援課題について明らかにすることを目的とした。2023年度は、以下の成果をあげた。 1.対象施設に受療歴のあるALS患者の医療処置とオピオイドの使用状況について後方視的に全容を把握した。2010年以降に診断を受けた399例を解析対象として呼吸療法の選択とオピオイドの使用有無との関係について分析中である(投稿準備中)。 2.高用量モルヒネを要するALS患者の増量速度、背景因子の解析から、ALS患者の苦痛緩和における課題を明らかにした。最終転帰が判明しているALS患者のうち100 mg/日以上のモルヒネ製剤を要した17例を対象とし、使用量と推移、背景因子、苦痛症状を後方視的に検討した。苦痛症状の評価として、ALS苦痛緩和スケール(清水ら、2021)を用いた。早期に高用量のモルヒネを要した群(4例)では、増量時点での苦痛として口渇が最も強く、呼吸困難感や思いの伝わらなさが続いた。高用量のモルヒネを要した群の全例でモルヒネ開始前から非侵襲的人工呼吸(NIV)を導入し、うち2例は経過中に意識レベル低下や一過性の低酸素血症によりモルヒネ製剤を減量していた。症状に応じた対応により緩和ケアの質を向上させる可能性を確認した。 3.NIVを開始し在宅療養を行っている18例のALS患者を対象として、ALS苦痛緩和スケールを用いて、NIV開始から6か月間の自覚的呼吸苦の変化と、関連する苦痛症状および臨床症状の検討を行った。ALSの経過において自覚的呼吸苦の変化は、他の自覚症状の変化と関連している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、ALS患者の終末期の実態の全容をとらえ、看護支援内容および課題について明らかにすることである。2023年度は、本研究課題の基礎となるALSデータベースを概ね完成することができ、解析を進めることができたため、計画全体の初年度としては順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、より詳細なALS患者の最終末期の症状と看護ケアの内容の調査を行う予定である。病院死亡例について、最終末期の医療処置の状況、オピオイドの使用状況、ALS患者の身体的・精神的な症状と看護ケアの内容をカルテにより後方視的に調査する。 また、緩和ケアチームを場として、参加観察調査を行い、具体的な支援内容から、ALS患者における終末期の課題を整理する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Presentation] 筋萎縮性側索硬化症患者における高用量モルヒネの使用状況と背景因子2023
Author(s)
池田桂, 清水俊夫, 森島亮, 松田千春, 木村英紀, 木田耕太, 浅野友梨, 漆葉章典, 早乙女貴子, 新井玉南, 小野崎香苗, 多田啓恵, 高橋一司
Organizer
第11回日本難病医療ネットワーク学会学術集会
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[Presentation] 筋萎縮性側索硬化症の非侵襲的陽圧換気療法における在宅療養上の課題2023
Author(s)
市川かよ子, 奥山典子, 村田奈津代, 原智子, 作間美幸, 梅本真理子, 齋藤緑, 清水俊夫, 漆葉章典, 森島亮, 松田千春, 高橋一司
Organizer
第64回日本神経学会学術大会
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