Project/Area Number |
23K10005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上原 星奈 香川大学, 医学部, 助教 (90855206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕子 香川大学, 医学部, 教授 (10360314)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | スピリチュアルケア / 沈黙 / 脳波 / 自律神経 |
Outline of Research at the Start |
がん患者などの苦痛をもつ人々へスピリチュアルケアの提供が必要である。しかし、日本では「霊性」理解が欧米とは異なることからスピリチュアルケアは未だ一般的ではない。スピリチュアルケアの基本は「共にいる」ことであり、ケア者が傍にいれば、患者は安心できる時間を得る。人のスピリチュアルな要素は「沈黙」の内から生じると考えられている。「沈黙」は、知覚的に捉えることはできないが、人に快、不快の感情を引き起こさせる。本研究では、「沈黙」の空間を提供するスピリチュアルケアの構造と過程を解明し、「沈黙」が人の感情や生体機能に快刺激をもたらす機能と応用方法を明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スピリチュアルケアにおける「沈黙」の構造と過程を解明し、「沈黙」が人の感情や生体機能にもたらすポジティブな影響(快刺激)を説明し、その応用可能性を提案することである。具体的には、人の感覚に快刺激をもたらすスピリチュアルケアにおける「沈黙」の実施方法を具体的に提示することである。 令和5年度の研究成果は、①日本の医療系大学生におけるスピリチュアルニーズの知覚についての報告、②脳波を測定するための専門家との意見交換、③脳波の測定環境に関する調査である。 ①日本の医療系大学生におけるスピリチュアルニーズの知覚は、受験などの人生の岐路で生じたスピリチュアルニーズを想起する傾向であった。つまり、日本の医療系大学生のスピリチュルニーズは、常時生じているわけではなく、個人的な体験に基づいていることが明らかンいなった。実証研究の際、研究協力者の選定に影響される要因であると考えられた。 ②脳波測定に使用する機器の開発会社と意見交換を行い、得られるデータとその結果から可能な分析について検討した。外部刺激の少ない場所で、閉眼した状態での測定の方がより正確であることや実験時間として最短1分30秒、最長7分程度であることなど実験条件を検討することができた。 ③脳波の測定環境に関する調査では、実際に個室を用意し、外部からの光刺激を暗幕で遮断し、深く座れる椅子や室内温度を25度、湿度60%程度に設定するなどの実験環境をつくり、脳波の測定を行った。ノイズの少ない脳波を測定することができたため、一定の実験環境をつくることができたと考える。以上の研究成果から、実証実験の準備が整ったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の当初計画では、CiNiiやPubmed、Scopusを用いて国内外の文献調査により、「沈黙」の空間を環境、個人特性などから定義し、スピリチュアルケアにおける「沈黙」の構造を明らかにすることであった。文献調査は現在も行っている最中であり、沈黙の研究は様々な学問分野で行われているため、概念分析が必要と考え取り組んでいる。 文献調査以外に、令和6年度の予備的実験に向けて、一般的に健康と考えられる大学生がどのようなタイミングでスピリチュアルニーズを知覚するのかを明らかにしたことで、実験協力者の選定基準を検討することができた。さらに、脳波測定機器のデータと結果の解釈、また、実験環境の調整などを進めることができた。これらは、倫理審査申請前に必要な準備であったと考えられ、質の高い研究計画になったと考える。文献調査はやや遅れているが、得られた知見を基に研究計画書を作成し、倫理審査に申請する準備が整っているため、概ね計画は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度目の研究の推進方策は、①文献調査として概念分析を行う、②倫理審査の申請、③予備的実験の3点である。 ①では、Walker&Avantの概念分析の手法を用いて、沈黙の概念を明らかにする。②では、予備的実験の前に、研究計画書を倫理審査に申請する。 ③では、生体機能が最も心地よいと示す沈黙の機能を明らかにすることを目的に、予備的実験を行う。簡易型脳波測定器や加速度脈拍測定器を準備し、環境や個人特性などの要素から沈黙の空間を作り出し、2名程度の大学生に実験協力を依頼しの脳波や自律神経などの生体機能の変化を測定する。 以上の研究計画により、予定通り研究を推進することができると考える。
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