Project/Area Number |
23K10409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
諫山 玲名 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助手 (90453092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 俊之 順天堂大学, 医学部, 教授 (50276375)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 歩行障害 / すくみ足 / 病態生理 / 歩行関連回路 / 経頭蓋磁気刺激法 / 非侵襲的脊髄刺激法 / エルゴメーター / 脊髄歩行運動関連回路 / 非侵襲的脊髄刺激 |
Outline of Research at the Start |
すくみ足を経験しているパーキンソン病患者さんでは、すくみ足の最中に、脳・脊髄・筋肉レベルで一時的に様々な変化が認められると報告されている。脳では一過性の異常信号がみられ、脳から脊髄歩行回路への信号が減少し、歩行動作など左右の下肢を交互に動かす動作のリズムの乱れ(協調運動障害)などがすくみ足につながることが示唆されている。 本研究では、パーキンソン病患者さんの下肢協調運動障害を検出し、申請者らが開発した、手術を伴わずに経皮的に脊髄を刺激できる装置により脊髄にある歩行回路を刺激することで、歩行やすくみ足の改善方法の開発を行う。さらに、すくみ足に関する脳や脊髄レベルでの生理学的機序の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病の運動症状の中で、歩行障害は、患者さんの日常生活の質を著しく低下させる要因の一つとなっている。歩行障害は中期以降に必発の運動障害であり、小刻み歩行、遊脚期の短縮、歩幅の減少、すくみ足などの特徴を有し、転倒のリスクにもつながる。パーキンソン病において、脳内の病態生理学的変化は積み重なる研究により、少しずつ明らかになってきてはいるものの、いまだ歩行障害にかかわる脳脊髄神経回路はあきらかでなく、歩行障害に対する神経生理学的アプローチはいまだ、確立していない。脊髄には、歩行関連回路が存在し、大脳からのコントロールをうけ、下肢の交互運動を無意識下で行うことを可能にしている。近年、パーキンソン病患者にたいする、侵襲的脊髄刺激療法が、歩行や運動機能改善に役立つ可能性が示唆されつつあり、脊髄はパーキンソン病患者の新たなターゲット部位として期待できる。しかし、パーキンソン病患者の脊髄歩行関連回路の病的変化や、大脳からの刺激に対する変化は、いまだ明らかになっていない。 本研究では、歩行障害のあるパーキンソン病患者さんを対象に、歩行に関する脳脊髄の神経回路を、経頭蓋磁気刺激や筋電図などを用いて、電気生理学的に明らかにする。 また、歩行障害をきたす程症状が進行してきたパーキンソン病患者さんでは、同時にバランス障害などを認め、転倒リスクが高く、安全な環境で十分に歩行訓練が行えないことがある。このような歩行困難を呈するパーキンソン病患者さんに対して、歩行訓練の代用として、自転車エルゴメーターによる下肢の随意的回転運動の役割が期待される。さらには、歩行に同期させた経皮的非侵襲的脊髄刺激を行うことで、歩行機能の改善、さらには、日常生活動作の改善をめざすとともに、歩行障害に関する、電気生理学的指標への影響を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進歩状況として、まずは、本研究の準備段階として、パーキンソン病患者の運動障害に関する電気生理学的指標の評価を行った。具体的には、感覚運動統合、大脳皮質運動関連分野と一次運動野とのかかわりを経頭蓋磁気刺激を用いて評価した。研究代表者が実施した先行研究において得られたパーキンソン病患者12名と同年代の健常者15名のデータを用いて、臨床症状との関連、健常者との違い、ドパミン製剤の影響などを現在解析中である。 また、当院におけるパーキンソン病入院患者のデータベースを用いて、パーキンソン病患者の歩行能力と、下肢回転運動時の下肢筋力として、エルゴメーターを用いて計測した下肢筋力との関連を現在解析中である。 さらに、歩行障害を生じているパーキンソン病患者3名に対して、歩行訓練の代用としてエルゴメーターにおける下肢回転訓練を実施し、訓練前後での歩行速度、下肢筋出力を評価したところ、3名とも改善を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自立歩行とエルゴメーターでの筋出力との関連を明らかにし、どの程度の歩行障害患者を対象とするかを検討していく。また、疾患対象をその他のパーキンソニズムにも広げ、同様の検討を行っていくことも検討している。これらの結果をもとに、対象者を絞り込み、エルゴメーターのみ実施群と経皮的非侵襲的脊髄刺激実施群を比較していく。比較の方法としては、歩行能力などの臨床症状に加えて、現在解析中の電気生理学的指標の結果を踏まえて、歩行困難なパーキンソン病患者の病態を反映する電気生理学的指標を測定し前後で比較する予定である。
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