Project/Area Number |
23K10493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大橋 篤 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (30310585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 秀生 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (00342113)
中谷 直史 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (00421264)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ウレミックサルコペニア / アルブミン結合尿毒素 / インドキシル硫酸 / 脱離剤 / 血液浄化療法 / N-アセチル-L-トリプトファン |
Outline of Research at the Start |
蛋白質に強固に結合するインドキシル硫酸(IS)など尿毒素は慢性腎不全や透析患者に蓄積する。特にアルブミン(Alb)は筋細胞に栄養素を運搬し分解されるが、同時に尿毒素も取り込み活性酸素を産生して筋委縮などを引き起こす。本研究ではAlbに結合するISを除去させる方法を確立する。また、その除去効果を腎不全ラットの筋組織や筋芽細胞株などの形態変化および遺伝子発現解析で確認するとともに脱離剤の安全性についても検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
インドキシル硫酸(IS)は腎不全患者の血清蛋白質に強固に結合する代表的な蛋白結合型尿毒素であり、細胞内で活性酸素を産生し動脈硬化や腎障害を引き起こす事が知られている。近年、ISが骨格筋に取り込まれ酸化ストレスを惹起し筋委縮(サルコペニア)因子となる事が報告された。ISの排泄機序は腎排泄であるが、透析患者ではISが血清アルブミンと強く結合するため除去能が低く健常者の100倍以上になるため、高効率除去法の開発が課題である。ISと類似構造を有するL-トリプトファン(Trp)は血清アルブミン結合型のISに対し脱離させる効果を持つことが報告された。我々はTrpの代替としてN-アセチル-L-トリプトファン(L-NAT)に着目しTrpと同様にISの競合脱離剤として有用であるか検討した。先ず、透析患者の検査済み血清を集めたプール血清を準備した。このプール血清を体外透析実験で用い、透析回路の動脈側チャンバからTrpまたはL-NATを持続的に添加して、ISの除去クリアランスを比較した。その結果、L-ANTはTrpと同等のクリアランスが得られることを明らかにた。しかし、ISの除去に反し両脱離剤のプール血清濃度は上昇した。TrpとL-NATの構造はISと類似点が多いため、ヒト筋管細胞株を用い筋萎縮への影響与を検討した。その結果、Trp はIS と同様にヒト筋細胞の面積を減少させたが、L-NAT は影響しない事が判明した。よって、透析回路からL-NATを添加すればタンパク質型ISが除去でき且つL-NATは筋委縮を誘導しない事より、透析患者のサルコペニア抑制に有用となる可能性がある事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ISはアルブミンのサイトⅡに結合しており、L-NATはTrpと同様に蛋白結合ISの競合脱離剤として期待できるが、体外実験の結果ではIS除去能はTrpと差が無く、さらなる高効率な除去効を模索する必要がある。次年度はアルブミン結合ISの除去効率を高める別の方法の検討と血清アルブミンの抗酸化作用など機能的な向上を追求し、透析患者のサルコペニアを軽減させる新たな方法を追加検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
体外脱離実験によるISの脱離剤としてLNATに着目したがTrpと差が無かった。ISは主にアルブミンに結合しているが、透析患者のアルブミンは酸化ストレスにより著しく酸化修飾されており、抗酸化能が低下している。我々はこれまで酸化型アルブミンを還元型へ転換させる技術を開発しており、透析患者の血清アルブミンの抗酸化能を高めればその構造変化によりISの脱離効果が向上する可能性がある。そこで、L-NTA添加と還元剤をハイブリッドで供添加する体外実験を試み蛋白結合ISの更なる除去と抗酸化機能の向上を図る。また、これらの安全性並びに有効性をヒト筋管細胞を用いて検証する。
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