Project/Area Number |
23K10581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
常川 勝彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30436307)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脂質代謝 / 骨格筋 / リパーゼ |
Outline of Research at the Start |
リポ蛋白リパーゼ(LPL)とその血管内皮アンカー蛋白であるGPIHBP1は、血中中性脂肪(TG)分解に重要な蛋白であり、運動時の脂肪酸産生によるエネルギー利用促進や動脈硬化進展抑制等の働きがある。これまでの解析でこれらの血中濃度に男女差を認めるもののその詳細は不明である。本研究は、運動様式の異なる男女のアスリートの間での血中脂質およびLPL、GPIHBP1濃度の比較に加え、マウスモデルの解析により、異なる骨格筋タイプに対する性ホルモンの作用と脂質代謝関連蛋白の変化を分子レベルで明らかとすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
リポ蛋白リパーゼ(LPL)とその血管内皮アンカー蛋白であるGPIHBP1は、血中中性脂肪(TG)分解に重要な蛋白であり、運動時の脂肪酸産生によるエネルギー利用促進や血中TG低下、HDL上昇を介した動脈硬化進展抑制等の働きがある。研究代表者らはヒトにおける血中LPLおよびGPIHBP1濃度の測定試薬を開発し、男性アスリートにおいて骨格筋量の増加に伴い血中LPL、GPIHBP1濃度が上昇することを明らかにした。また、さらなる解析により女性では骨格筋量が少ないものの血中LPL、GPIHBP1濃度が高値となることが確認できているが、この性差の原因は不明である。本研究ではヒト及びマウスを対象に、骨格筋由来のリパーゼ作用を介した脂質代謝メカニズムの性差を解明することを目的としている。現在までに、男女の健常者および運動形態の異なるアスリートの対象者を増やしてこれら血中濃度の解析を継続している。マウスにおいては、骨格筋培養細胞を用いて、分化の過程におけるLPLの発現量の変化を観察し、その中でのエストロゲン添加による違いについてRNAおよび蛋白レベルでの解析を継続中である。また、マウス血中LPL濃度の測定試薬を新たに開発し、成果をJournal of Lipid Research誌に発表した(Kimura T,et al. J Lipid Res. 2024 Apr 11;65)。さらにマウス血中GPIHBP1濃度の測定試薬の開発について成果をまとめ、投稿準備中である。これらの試薬を用いてマウスの様々な運動負荷前後での血中濃度の変化とエネルギー利用の関連について解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトを対象とした健常者とアスリートの解析については、男女ともに対象者を計画的に拡大できている。現在までの結果では、男性より女性で骨格筋量が少ないにも関わらず、血中LPL濃度およびGPIHBP1濃度が高く、さらに血中HDLコレステロール高値、TG低値が確認できている。さらに運動様式による脂質のエネルギー利用のメカニズムを明らかにするためにも、レジスタンス運動主体のレスリング選手、持久力運動主体の長距離選手を中心に対象をさらに増やしていく予定である。また、マウスにおいては、骨格筋培養細胞を用いて、分化の過程におけるLPLの発現量の変化を観察し、その中でのエストロゲン添加による違いについてRNAおよび蛋白レベルでの解析が進み、進捗は概ね良好と判断できる。血中のLPL濃度の測定試薬が完成し、さらにGPIHBP1濃度の測定試薬の開発が進み、現在成果の投稿準備中である。これらの試薬を用いたマウスの血中濃度について、運動条件の違いなどによる変化と精査の関係について解析を計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、ヒトにおいては対象の拡大に加え、脂質エネルギー利用の男女の違いを様々な運動の条件下で比較することで、LPLおよびGPIHBP1の詳細な役割が明らかになると考えられる。特に運動様式の違いのほか、高地トレーニング等の酸素濃度の違いによるエネルギー利用の違いを評価することがその機序を解明するのに重要と考えている。今後、高地トレーニング前後での血中LPL、GPIHBP1濃度の変化について検討を行う予定である。また、マウスについては、血中のLPL濃度の測定試薬が完成し、さらにGPIHBP1濃度の測定試薬の開発が進み、現在成果の投稿準備中である。これらの試薬が脂質利用のメカニズムの性差を解明することを促進すると考えている。今後、マウスの血中濃度について、運動条件の違いなどによる変化と精査の関係について解析を計画中である。
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