Project/Area Number |
23K10606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
國部 雅大 筑波大学, 体育系, 助教 (70707934)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | ヘッドマウントディスプレイ / 視覚 / 注視 / 運動学習 / スポーツ / 反応時間 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて実際の視野空間内に視覚情報を重ねて提示することが、素早く正確な運動の制御および運動技能の学習に与える影響について実験的に検討することである。運動課題として、視覚刺激に対する素早い反応課題や、標的へ向けての正確な投てき課題、各種スポーツ技能の学習課題を設定し、HMDにより仮想提示される視覚情報を見ることが、実空間内での運動の遂行や学習に与える影響を総合的に考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて実際の視野空間内に視覚情報を重ねて提示することが、素早く正確な運動の制御および運動技能の学習に与える影響について検討することを目的とした。 まず初年度は、遠方に仮想提示された視標への注視が素早い反応に与える影響に関する検討に着手した。実空間上にて眼前に設置された視覚刺激(LED)の点灯に対して、できるだけ早く正確にボタン押しにより反応する課題を設定した。その際、実験参加者は透過型HMDを装着し、LEDより遠方の距離に仮想提示される注視点を注視する条件と、対照条件として眼前に設置されたLEDを注視する条件の2条件で反応課題を行った。初年度は機器の設定と予備実験を実施した。本研究を通して、遠方の距離に仮想的に提示された視標を注視して反応準備をすることで、素早い運動開始が可能になるかについて検証していく。 また、野球選手20名とバレーボールの審判8名を対象に、複数人がプレーする場面の映像をHMDにより提示し、短時間で正確な判断が求められる状況での視覚探索および状況判断を検討した。その結果、正確な判断においては、ボールのみを追従して見るのではなく、複数の箇所を能動的に注視する方略が重要となる可能性が示された。 研究成果発表に関しては、スポーツ選手を対象に試技中の視線行動を分析した結果、優れた選手は視野空間内における視線位置のぶれが少なく安定しているという特徴についてまとめた研究論文が採択および出版された。 本研究の意義としては、素早く適切な運動や判断を行う際の「目のつけどころ」を可視化およびフィードバックすることにより、スポーツの学習場面への応用を目指すことにある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は、実験研究において必要となる測定環境の構築を行い、おおむね当初の計画通りに実験を実施することができた。当初の計画に加えて、初年度からスポーツ場面の映像をHMDに提示して検討を行えた点において大きな進展がみられた。 一方で、視覚刺激LEDを用いた反応時間に関する実験では、LED提示機器の不調によりやや実験開始時期が遅くなった。今後機器の修理が完了次第データ取得を進めていく必要がある。 研究成果の報告については、スポーツ選手の視線行動を分析した結果をまとめた筆頭著者としての研究論文が採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年度目は、初年度に設定した実験のデータを引き続き取得および分析することで、遠方に仮想提示された視標への注視が素早い反応に与える影響について検証していく。 また、運動課題として、ターゲットへ向けての正確な到達課題や投てき課題、各種スポーツ技能に関連する課題を設定する。これにより、ターゲットへ向けての正確な運動を遂行する課題において、遠方に仮想提示された視標への注視が頭部や身体各部の運動およびパフォーマンスの安定性に与える影響を検討する。 研究成果の報告については、注視と運動に関する研究データをまとめて継続的に論文として発表することを目指す。
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