Project/Area Number |
23K10651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
灘本 雅一 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (10712846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 慎一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (20155485)
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 滑り転倒 / 転倒調査 / 対応動作 / 高齢者 / 訓練効果 / 転倒事故 / 衝撃度 |
Outline of Research at the Start |
滑り転倒は、身体を支える足が前方あるいは後方に変動する転倒であり、顔面や後頭部の重大事故につながる。特に後方への滑り転倒は、躓き転倒のように咄嗟の手出しや1歩による転倒防止は困難で、後頭部打撃は重大事故につながる。 そこで、本研究では、これまで十分に明らかにされていない高齢者の滑り転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒時の身体の対応動作の実態、支持面変動時の動作分析、重心動揺及び下肢筋群の筋活動、身体滑り時の対応動作と転倒関連要因との関係、転倒時の身体部位に対する衝撃度等を検討し、滑り転倒防止や衝撃軽減に有効な対応動作を選出してその動作の予防効果を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、滑り転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒時の身体の対応動作の実態を明らかにするとともに、滑り転倒防止や衝撃軽減に有効な対応動作を検討することである。本研究では、以下の検討課題を設定した。 課題1:転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒回避対応動作の実態 課題2:滑り転倒時の動作分析により各種姿勢と身体動揺や下肢筋活動の関係 課題3:身体動揺、下肢筋活動及び転倒時の対応動作と転倒関連要因との関係 課題4:滑り転倒時の各身体部位に対する衝撃力と対応動作の差異検討 課題5:転倒回避・傷害軽減のための事前の有効な対応動作の訓練効果 昨年度は、課題1の検討に取り組み、924名を対象に調査した。調査内容は、1年以内と2~5年の転倒の種類、転倒の場所と時刻、転倒による怪我の種類や怪我の部位、転倒した状況、転倒時の対応等であった。分析の結果を以下に示した。 転倒の種類は、1年以内、躓き:136件、滑り:57件、踏み外し:24件、ぶつかり:5件、ふらつき:17件、バス等急停止:17件、その他:4件、2~5年目の転倒の種類は、躓き:58件、滑り:43件、踏み外し:24件、ぶつかり:7件、ふらつき:15件、バス等急停止:1件、その他:13件であった。転倒場所は、道路、菜園、風呂場、室内、玄関、階段であった。転倒時刻は、午前中から午後に多く、風呂場での転倒が多かった。滑り転倒:57件による怪我は、打撲:14件、擦り傷:8件、骨折:6件で、怪我無は29件であった。受傷部位は、今回の調査では幸い頭部が少なく、手や肘であった。転倒状況の60%は路面に水や氷など滑りやすい環境で、体調不良やスリッパも原因であった。転倒回避の対応として咄嗟の手出し:11件、尻もち:13件、物につかまる:2件、咄嗟の一歩:3件がとられ何も出来ないが15件であった。以上、課題1の目的は概ね達成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、前述の如く、課題1(転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒回避対応動作の実態の解明)に取り組んだ。大阪府他7都道府県に在住の20歳代~90歳代の男女924名を対象に調査した。年代別・性別対象者は、20歳代(M:9,F:10)、30歳代(M:4,F:16)、40歳代(M:40,F:40)、50歳代(M:43,F:47)、60歳代(M:29,F:40)、65歳代(M:34,F:52)、70歳代(M:44,F:102)、75歳代(M:39,F:165)、80歳代(M:37,F:121)、85歳代(M:9,F:31)、及び90歳代(M:3,F:9) であった。 各年代100名を目標に調査を継続する予定である。 調査結果の分析により、転倒の原因や転倒回避動作を調査から確認できた。日常生活調査(ADL:文部科学省新体力テスト)と転倒の関係性を確認した。年齢は、転倒経験無群(67.0±15.4歳)vs転倒経験有群(70.4±14.8歳)と転倒経験有群の年齢が有意に高い結果であった。ADL調査36点満点中、転倒経験無群(29.3±6.3点) vs転倒経験有群(26.9±6.8点)は、転倒経験無群が有意に高い結果となった。さらに、転倒リスク調査(出村:19得点)と転倒の有無は、転倒経験無群(3.91±3.6点)vs転倒経験有群(4.4±4.4点)と転倒有群が有意に高い結果であった。研究課題の滑り転倒群の年齢(65.8±18.3歳)、ADL得点(28.5±5.3点)、転倒リスク得点(4.3±4.3点)は、加齢による影響があるものの、日常生活活動調査の得点は高く、転倒リスクはやや高く、体力低下よりも不注意や予期せぬ状況で対応できずに不意に転倒を起こす可能性が示唆された。調査は概ね順調である。24年度に学会にて調査結果を発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1「転倒に関する実態調査により転倒の原因や転倒回避対応動作の実態解明」は、1年目、924名を対象に調査した。今年度、一部解析し、学会で発表予定である。転倒調査は、2年目以降も継続予定である(目標:2,000名)。 今年度は、課題2「滑り転倒時の動作分析により各種姿勢と身体動揺や下肢筋活動の関係の解明」と課題3「身体動揺、下肢筋活動及び転倒時の対応動作と転倒関連要因との関係の解明」に取り組む。課題2と3は、人為的に滑り転倒を発生せることで、いかにバランスが乱れ、いかなる下肢筋群に負担がかがり、咄嗟のいかなる対応動作が自己の軽減に貢献するかを検討する。実験は7月に大学生を対象に筋電図と加速度計を用いて行う予定である。 来年度検討予定の課題4「滑り転倒時の各身体部位に対する衝撃力と対応動作の差異検討」も予備テストにより事前に問題点を検討予定である。5月頃、ダミー人形をフォースプレート上で転倒させて行う予定である。支持面変動時の動作分析、重心動揺及び下肢筋群の筋活動、身体滑り時の対応動作と転倒関連要因との関係、転倒時の身体部位に対する衝撃度等を検討し、滑り転倒防止や衝撃軽減に有効な対応動作を選出させる。転倒対応動作の習得効果は地域在住の高齢者を対象に実施する予定である。課題5「転倒回避・傷害軽減のための事前の有効な対応動作(衝撃回避)の訓練効果の検討」は、研究課題1から3の知見を踏まえて予備実験を今年度の1月から3月にかけて、地域在住の高齢者を対象実施予定である。
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