Project/Area Number |
23K10655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 匡樹 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (40392196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 耕彦 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (30540611)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 共同行為 / 運動制御 |
Outline of Research at the Start |
会社の部署、スポーツのチームなど、我々の社会生活においては5人前後のグループでひとつの目的に向かって行動する、いわば集団による共同行為が不可欠である。本研究では、共同行為の目的に対して各々の貢献度に集団内で偏りが生じる現象(「二八の法則」)に着目し、集団の平均力を正確に調整するという「共同力調整課題」を用いてこの組織化に潜むルールを詳細に検討する。この研究によって潜在的な組織化のメカニズムが解明されれば、集団を目的に沿った組織化へ導く大きな手がかりとなる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、5人以上の中規模集団の共同行為において自発的な組織化(貢献度の分配)が生じるとき、その組織化がどの程度集団のパフォーマンスを最適化する方略に基づいているのか、あるいはどの程度社会性に根差したものなのか、その度合を定量的に明らかにすることを目的とした。この目的のため、令和5年度は6人組による力調整課題の実験環境構築ならびにデータ取得を目標とした。 実験においては、集団の平均力を正確に維持するという共同力調整課題を6人のグループに課し、その課題において各々の力配分(課題に対する貢献度)がどのように決定されるかを調べた。力の計測のため。人差指先の圧力を計測するフォースセンサ(USL06-H5,テック技販社)を人数分使用し、6人同時の力調整課題が実施できるよう環境を整えた。課題条件として、個々の力を調整する個別課題、3人ずつのグループに分かれて各々の平均力を調整する3人課題、6人全員の平均力を調整する6人課題を設定した。現在まだ十分なデータが得られている段階ではないが、個人課題では標的力に対しほぼ均等に力が発揮される一方、3人課題になるとその力配分に偏りが生じ、6人課題ではさらにその偏りが大きくなる傾向が示されている。このことは、特定の構成員に貢献度が偏る「二八の法則」の顕在化を示唆するものと考えられる。 標的力の提示法やディスプレイの設定に検討事項があるため、令和6年度はそれらの課題を克服した上で十分なデータを取得し、最適化に基づいた力配分との比較や個々の社会性の影響の検討を進める。その上で、構成員を変えても同様の組織化が行われるのか、その構成がヒトパートナーに特有なものなのかを検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験刺激の提示において、標的力の提示法やディスプレイの設定に検討すべき点が生じ、設定の再調整が必要となった。ただし、実験の基本的な構成は問題なく、予備実験では当初予想していた結果に近いものが得られているので、調整が順調に進めば次年度以降の進捗は問題ないものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記課題を克服した上で20組前後のデータ取得を行い、その力配分の特性ならびに個々の社会性の影響を明らかにする。その上で、構成員を変えても同様の組織化が行われるのか(実験2)、その構成がヒトパートナーに特有なものなのかを人工パートナーを用いて検証する(実験3)。実験2までを令和6年度に、実験3を令和7年度に実施する予定である。
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