Project/Area Number |
23K10692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小林 琢也 順天堂大学, 医学部, 助教 (60468585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅 元司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00422098)
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (50133335)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 骨格筋 / 微小管 / 粘弾性 / イメージング |
Outline of Research at the Start |
骨格筋は常に変形しながらも、壊れることなく運動機能や衝撃吸収能力を保持し続ける。こうした骨格筋の特殊性は変形しても再び元の形に戻るという“しなやかさ”によって支えられている。この“しなやかさ”は骨格筋細胞内の様々な構造体やそれらの繋がりによって構成される筋の粘弾性に由来すると考えられる。本研究では、骨格筋内の様々な構成要素と相互作用し、それ自体が高い弾性を持つことで知られる微小管に注目する。骨格筋に微小管作用薬や外部負荷を与えながら、骨格筋の粘弾性計測および構造イメージングを行う事で骨格筋の“しなやかさ”における微小管の役割を定量的に解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「骨格筋のしなやかさにおける微小管の役割」の主要な課題はしなやかさの基盤である粘弾性における微小管の寄与を定量的に示す事である。前年度は粘弾性の詳細な計測とその力学的特性を数理モデルで説明する事に重点を置いた。構築したモデルは収縮の概要をおおむね表現できていたが、変形応力曲線を完全にフィッティングするには至らなかった。また、微小管が強縮張力の安定性に寄与する結果を得たが、十分な説明に至っていない。そこで令和5年度は特に次の4点に注目した。①強縮張力と微小管との関係、②粘弾性計測における諸係数の検討、③数理モデルの再構築、④微小管の骨格筋内動態と粘弾性の因果関係の探索。このうち①に関しては強縮張力の計測方法を変更することで、収縮力の明確な現象が起こる事を示すことができた。②に関しては収縮が二相性の緩和を示し、そのうちの一方に微小管の寄与があると考えられる結果を得た。これらの結果から③における数理モデルの再構築において、要素を増やす事を行ったところ、変形応力曲線のフィッティングを改善できた。しかしながら伸展変形は非常によく表現できたが、短縮変形に関しては依然としてフィッティングが不完全である。④における微小管動態と粘弾性との関係は前年度中に十分な知見を得るに至っていない。以上が令和5年度の本課題の研究成果である。これらの成果はThe 5th Rocky Mountain Muscle Symposiumおよび第61回日本生物物理学会において発表を行った。とりわけThe 5th Rocky Mountain Muscle Symposiumは国際的な骨格筋研究者に対し、微小管が筋粘性に関与するという新規性を示す事ができた。またその際のディスカッションにより、問題点やさらなる課題について明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的である筋粘弾性と微小管との関係を明らかにするための要素は粘弾性計測、数理モデル構築である。先に挙げた4点の主要課題である、①強縮張力と微小管の関係、②粘弾性の諸係数の検討、③数理モデルの再構築、④微小管動態と粘弾性の関係、これらのうち①②③は予定通り進捗している。③は短縮変形において検討の余地を残している。④においては微小管動態の観察・計測がまだ不十分であり、今後の中心的課題となるが微小管分布の観察には成功しているため、こちらもおおむね順調に進捗していると考えられる。本研究では、筋の圧迫による変形時の粘弾性計測も計画しているため、圧迫変形装置を開発している。適切な負荷出力を満たす段階には至っていないが、装置試作と試験を実施し、適切な負荷出力の範囲を見積もる事が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究成果を受け、本年度に取り組むべき課題は明確になっている。これまでの進捗で述べたとおり、数理モデルにおける短縮変形の検討、微小管動態の詳細観察である。短縮変形については、短縮速度ごとの変形応力曲線を詳細に計測することが必要であると考えている。また微小管動態については、カメラを含めたイメージング装置の結像系の改良に着したところであり、これを用いた動態観察が今後の進捗方策の中心となる。圧迫変形装置については、適切な負荷を与えるための治具の選定を行う。
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