Project/Area Number |
23K10746
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
|
Research Institution | Nihon Wellness Sports University |
Principal Investigator |
近藤 卓 日本ウェルネススポーツ大学, スポーツプロモーション学部, 教授(移行) (60266450)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 共有体験 / 実態把握 / 半構造化面接調査 / 心身の健康 / ICT / 教育プログラム |
Outline of Research at the Start |
自尊感情は様々な研究者によって定義されているが、概念の曖昧さに加え、知見相互による矛盾が指摘されることも多く、さらに自尊感情には二つの領域があることも指摘されてきた。しかし、これまで二つの自尊感情を区別して捉えた上で、基本的自尊感情を育む要因として共有体験に着目したことは重要な視点となるものである。 身近な他者との体験と感情の共有(共有体験)が、自己受容や自己肯定を促し、基本的自尊感情を育むという仮定のもと、そこにおいてICT機器を用いて身体性を伴う共有体験を実現することの意義と方法を明確にすることが、本研究の目的となっている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症の影響で、これまで以上に急激に子どもたちを取り巻く環境は大きな変化を見せている。とりわけ対面での接触が限定的となる中、身体性を伴う共有体験の減少が、社会性の発達や基本的自尊感情の醸成に影を落としている。それは、子どもの自殺者数の激増や不登校者の増加など、様々な問題となって顕在化している。 激烈とはいえないが一定の強さのストレスが長期間かかり続けることによって、いわば「心の低温やけど」が生じているような状況であるとも考えられる。それ以前から、子どもによる様々な問題行動やいじめなどによる殺傷事件は,低年齢化に加え、その悪質さが社会に大きな衝撃を与えており深刻な問題となっていた。それらの背景には、子どもたちの生命に対する考え方の変容や、基本的自尊感情(自己肯定感)の低下が影響しているのではないかと考えられるようになり、基本的自尊感情を育むための「いのちの教育」に関心が寄せられるようになって久しい。 そこで本研究では、基本的自尊感情を育む要因と考えられる共有体験に着目し、共有体験に焦点化した授業をICTを活用した形で設計し、自尊感情尺度等によって効果測定を行う実践的な教育プログラムを開発することを目的として研究を開始した。2023年度は、半構造化面接法(40分から60分、対面を基本とするが事情によってはオンライン形式を取る)で、子どもと関わる立場にある保育士、幼稚園教諭、小中高校教諭・養護教諭(30名)などを中心として、実態調査を開始した。調査は研究代表者が主に担当するが、状況に応じて研究補助者が代行することとする。調査対象者には、調査の目的・概要・方法等を書面(調査依頼書)によって説明し、同意書に署名を頂く。同意撤回書についても説明するなど万全を尽くして調査が進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的と研究計画に沿って準備と実施を進めてきたが、教育現場での実態(慢性的な多忙状況、子どもや保護者の対応、教職員の疲弊など)が思った以上に深刻な場合が多く、校長・教頭などとの情報交換の段階で順調な調査そのものへの進展が難しい局面が多々存在していた。 しかし、研究者自身のこれまでの活動を通して得ていた、学校との関係性に沿っていくつかの学校・園での調査が進行しつつあるという現状である。当初の計画よりやや遅れてはいるが、今年度には実質的な調査がある程度進行することが期待できる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
前記したこととも重複する点もあるが、2023年度の当初予測より進行がやや遅れているが、逆に時間をかけて準備ができたとも言える状況で、今年度及び次年度へ向けて調査は順調に進行できると考えている。そこでの調査結果をもとに、これも時間をかけて関係性を強固にできた教育関係者と、密接な連携を取りながら具体的な教育プログラム作りに到達できると考えている。教育プログラムの作成後は、研究期間中にある程度のプログラムの実践を行い、その結果の分析・評価まで到達したいと考えており、それは可能であると考えている。
|