Project/Area Number |
23K10814
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
増山 律子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (60297596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 仁木 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (30533921)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ビタミンD / カルシウム / 腸上皮 / 腸内環境 / カルシウム輸送 |
Outline of Research at the Start |
研究代表者は、生体の必要性に応じてビタミンD等の作用により内分泌的に調節される能動カルシウム吸収に加え、腸管腔内の消化物の成分に上皮が応答し、腸が独自に制御することで“自律性”にカルシウムを吸収するしくみがあることを新たに見出した。ただし、内分泌的調節から独立したこの仕組みが、なぜ機能するのか、生体のカルシウム必要量をどの程度賄えるのか、といった本質的な疑問が残されている。次のステップとしては、自律性吸収を導く腸内環境条件を絞り込み、内分泌的吸収調節よりも優勢となるメカニズムを明らかにする必要がある。そこで、自律性吸収を導く条件を検討するとともに、この仕組みの存在意義の明確化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンD作用依存的なカルシウム吸収調節の仕組みを欠く腸特異的VDRKOマウスに対してカルシウム吸収能が変化する試験飼料として、カルシウム高含有飼料を投与し、腸上皮の機能性の変化を捉えた。ビタミンDやエストロゲン等の女性ホルモンが組織内局在量を増加するカルシウム輸送分子に、投与試料の成分の違いによる影響は観察されなかった。腸管腔内のイオン化カルシウム等、吸収可能な成分の割合に影響したと考えられる。一方、腸管腔内の成分の変化は、腸上皮組織の細胞間接着分子など、腸上皮機能の中でも上皮の頑健性に影響することが示唆された。 次に、飼料摂取直後より発現量が増加するカルシウム輸送分子群の変化を検討したところ、ビタミンD作用が正常に機能する状態では、カルシウム輸送分子群の摂取後の発現増加は速やかであった。またこの変化に飼料中のカルシウム量の違いよる影響は認められなかった。これらの結果から、食後にカルシウム吸収を調節するしくみの一部は、経口摂取後から機能し、ビタミンD作用下でその仕組みは円滑に駆動すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸上皮のカルシウム輸送能(吸収能)に焦点を当て、生体内での要求量を反映した内分泌的調節によるものと、食事成分による直接的な輸送調節を区別し、それぞれの機能により吸収が増加する実験モデルを用いた検証が行われた。動物実験では消化管内容物の成分分析のみ、試料調整の試行錯誤を繰り返しているが、ほとんどの項目は既に確立された実験条件に従い実施され、成果を得ている。実験結果の一部は、今年度開催される国内外の学術集会にて報告し、専門家からの意見やアドバイスを受ける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
食事や内分泌的な条件が腸上皮機能を変化させることを証明するためには、腸管腔内容物の成分分析が必要となる。昨年度から引き続き、腸内容物中のイオン化カルシウムの分析条件の標準化を進める。さらに、飼料摂取後の腸内容物成分の経時的な変化を、腸オルガノイドや腸上皮細胞の培養評価系にて再現し、消化管内を模倣したin vitro実験システムの確立を目指す。
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