Project/Area Number |
23K10838
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
田中 守 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (00612350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 史郎 中部大学, 応用生物学部, 講師 (60398576)
呂 鋭 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (80381862)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 食物アレルギー / 食塩 / マウス / 腸管バリア機能 / ヘルパーT細胞 |
Outline of Research at the Start |
これまでに我々は,過剰な食塩の継続摂取及び高濃度の単回投与が食物アレルギーモデルマウスの小腸上部の炎症及びアレルゲン吸収量を増加させ,アレルギー症状を悪化させることを明らかにしてきた。本研究では,さらなる詳細を明らかにするため,消化管に特化し(1)腸管免疫機能及び(2)消化管のバリア機能,(3)腸内細菌叢・代謝産物,(4)ヘルパーT細胞への影響を明らかにすることで,食塩過剰摂取による食物アレルギー症状の誘発・増悪機序の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実施計画として,食塩過剰摂取による食物アレルギー症状への影響を明らかにすることを目的とした。5週齢のBALB/cマウス雌をControl/AIN-93G(CA)、Control/NaCl(CN)、Sensitization/AIN-93G(SA)、Sensitization/NaCl(SN)の4群に分け、CAとSAにはAIN-93G食と水を、CNとSNには4%のNaClを含むAIN-93G食と1%NaCl水を自由摂取させた。実験開始7、21日目に卵白アルブミン(OVA)を含む水酸化アルムを腹腔内投与し、OVA感作マウスを作製した。25-28日目にはマウスの糞を採取した。28日目にはOVAを胃内投与し、投与30分後にアナフィラキシー症状の指標として直腸温の測定、門脈血、脾臓リンパ球の採取を行った。結果、直腸温では、SN群において、その他3つの群と比較して有意に低下した。OVA特異IgEでは血清、脾臓リンパ球培養上清どちらもSN群において、その他の群と比較して、有意な上昇もしくは上昇傾向が認められた。IL-4、IL-10、IFN-γでは、SA群においてその他の群と比較して有意に増加を示した。TNF-αでは感作群において、非感作群と比較して有意な上昇を示した。食塩摂取により、糞中総IgAでは有意な低下が認められた。糞中ムチンでは、CN群において、CA群、SA群と比較して有意な低下を示した。小腸のHE染色では空腸・回腸ともに食塩摂取による差は認められなかった。以上のことから、食塩の過剰摂取は、マウスのアナフィラキシー症状の誘発・増悪を引き起こし、IgEの産生亢進、サイトカイン産生低下、腸管におけるIgA産生低下による免疫機能の低下が明らかとなった。また、HE染色だけでは食塩による小腸粘膜上皮組織の損傷は認められないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進行している。今後は1年目で明らかとなった免疫機能低下のさらなる解明のため、ヘルパーT細胞への影響、より詳細な消化管のバリア機能に及ぼす影響、アレルゲンの体内動態について明らかにしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目は、食塩の過剰摂取がマウスのアナフィラキシー症状の誘発・増悪を引き起こし、IgEの産生亢進、サイトカイン産生低下、腸管におけるIgA産生低下による免疫機能の低下が明らかとなった。一方、予想に反して小腸粘膜上皮組織の損傷は認められないことが明らかとなった。2年目は、免疫機能低下のさらなる解明のため、ヘルパーT細胞への影響を腸間膜リンパ節のT細胞関サイトカイン、ムチン、マスト細胞や好酸球の組織解析により明らかにする。より詳細な消化管のバリア機能に及ぼす影響をアレルゲン吸収が活発な小腸の空腸部分の消化管のバリア機能を制御するタイトジャンクション関連遺伝子発現タンパク質発現及び免疫染色を行う。加えて、腸内細菌叢の解析およびアレルゲンの体内動態について明らかにしていく予定である。
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