Project/Area Number |
23K10871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤川 貢 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (70405356)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / リポフスチン / 蛍光性加齢色素 / ピロドキサミン / 加齢性網膜疾患 / アミノーカルボニル反応 / 食品機能 |
Outline of Research at the Start |
加齢黄斑変性は網膜色素上皮細胞の変性により視力低下や変視症などを引き起こし、最悪の場合には失明に至る難治性疾患である。患者の網膜色素上皮細胞には蛍光性加齢色素 (リポフスチン) が沈着しており、その蓄積が惹起する細胞死が主発症要因として示唆されているが、有効な予防法の開発には至っていない。本研究では、リポフスチンの形成を阻害して網膜色素上皮細胞を保護する食品因子を探索・同定し、その阻害機構を分子レベルで解明する。また、食品因子による加齢黄斑変性発症の予防効果を疾病モデルマウスを用いて実証することで機能性食品による予防法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性は網膜色素上皮細胞の変性により視力低下や変視症などを引き起こし、最悪の場合には失明に至る難治性疾患である。近年、患者数が急増しており、世界で推定2億人もの中高年が罹患し、欧米では失明原因の第1位となっている。患者の網膜色素上皮細胞には蛍光性加齢色素 (リポフスチン) が沈着しており、その蓄積が惹起する細胞死が主発症要因として示唆されているが、有効な予防法の開発には至っていない。リポフスチンの形成には、加齢に伴う代謝の衰弱と遅延により過剰となったall-trans-レチナールとタンパク質やリン脂質のアミノ・カルボニル反応が関与することが知られている。そこで本研究では、リポフスチンの形成を阻害して網膜色素上皮細胞を保護する食品因子を探索・同定し、その阻害機構を分子レベルで解明する。また、食品因子による加齢黄斑変性発症の予防効果を疾病モデルマウスを用いて実証することで機能性食品による予防法の確立を目指す。2023年度は、リポフスチンの形成を阻害する食品因子の探索を実施し、ビタミンB6化合物の一種であるピリドキサミンがall-trans-レチナールとN-boc-リジンのインキュベートによって生成するリポフスチン誘導体であるA2Lの生成を顕著に阻害することを見出した。また、阻害機構の解析を実施し、ピリドキサミンが自身のアミノ基を介してall-trans-レチナールを捕捉する分子機構を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、リポフスチンの形成を阻害する食品因子の同定と阻害機構の解析を実施する研究計画であった。リポフスチン形成阻害効果を食品由来アミンからスクリーニングし、ビタミンB6化合物の一種であるピリドキサミンがall-trans-レチナールとN-boc-リジンのインキュベートによって生成するリポフスチン誘導体であるA2Lの生成を顕著に阻害することを明らかにすることができた。また、阻害機構の解析を実施し、ピリドキサミンが自身のアミノ基を介してall-trans-レチナールを捕捉する分子機構を推定することに成功した。現在のところ「研究実施計画」の予定通り、滞りなく研究を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画に変更なく、継続して進めて行く予定である。2024年度は、網膜色素上皮細胞を使用して、食品因子の細胞保護効果の解析を実施する。リポフスチン形成阻害効果の認められたピリドキサミンのレチナール誘導性アポトーシスに対する網膜色素上皮細胞保護効果の検証を行う。ピリドキサミンの存在下においてヒト由来網膜色素上皮細胞ARPE-19をレチナールに曝露し、細胞生存率、核の凝集、およびDNAの断片化等のアポトーシス応答を解析することで細胞保護効果を評価する。また、カスパーゼ群の活性化やBcl2ファミリータンパク質の動態等の詳細なアポトーシスシグナルの解析を実施する予定である。
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