Project/Area Number |
23K10877
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉村 健太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (10585699)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ケトジェニックダイエット / ケトン食 / 骨格成長 |
Outline of Research at the Start |
ケトジェニックダイエット(ケトン食)とは、低糖質・高脂肪食を摂取することで生体内のケトン体産生を増加し、血中ケトン体濃度を高く維持する食事療法である。ケトジェニックダイエットがてんかん発作の抑制・肥満の改善に役立つことが認知されている一方、脂質に偏った食生活によってさまざまな副作用も生じると考えられているが、未だ不明な点が多い。本研究では『ケトン体が軟骨性骨化および長管骨の伸長を阻害するか』を解析し、ケトン食で生じる成長不良がケトン体による直接的な骨格成長の阻害であるのか、もしくは低栄養状態などの間接的な影響なのかを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ケトジェニックダイエット(ケトン食)とは、低糖質・高脂質の食事を継続して摂取して生体内のケトン体産生を増加し血中ケトン体濃度を高く維持する食事療法のことである。ケトン食は、薬剤抵抗性を示す小児の難治性てんかんに対して発作を抑制することが報告されており、現在日本でも「てんかん食」として治療のための特別食に認められている。しかし、長期にわたって継続した場合、副作用として骨量減少・低身長などの骨の異常が出現することが報告されているが、その機序は未だ不明な点が多く残されている。本研究では、小児に対するケトジェニックダイエットの適用が骨格形成・成長に及ぼす影響について解析した。令和5年度は、軟骨細胞株ATDC5細胞を用いて実験を行った。体内で生成するケトン体であるアセト酢酸およびβ-ヒドロキシ酪酸を培地に添加しATDC5細胞を培養した。糖質を多く含む通常食を食べている健常人の場合、血中ケトン濃度は100μM程度であるが、てんかん予防のためのケトン食を摂取した場合は数mMまで上昇する。そこで、mM単位のアセト酢酸およびβ-ヒドロキシ酪酸を添加した。アセト酢酸は5mM以上で濃度依存的にATDC5細胞の増殖を抑制した。一方で、β-ヒドロキシ酪酸を添加した群では10mMの添加でもATDC5細胞の増殖に変化は生じなかった。これらの結果から、ケトジェニックダイエットで生体内に生じるケトン体の中で、アセト酢酸は軟骨細胞の増殖を抑制する可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ケトン体が小児の骨格成長に及ぼす影響を解析するために、in vitroの実験系として軟骨細胞株ATDC5細胞にケトン体を添加して培養を行ったが、当初はex vivoの実験系としてマウス胎児から採取した大腿骨および脛骨を器官培養する系を計画していた。しかしながらマウス胎児からの大腿骨・脛骨の摘出が難しく、器官培養で成長が見られないという事態が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度はマウス胎児大腿骨・脛骨採取という技術的に困難な実験系を克服するため、生後1日齢や生後1週齢などのマウスから大腿骨・脛骨を採取し器官培養を行う。in vitroの細胞培養実験では細胞株のATDC5細胞のみならず、生後1日齢マウスの肋軟骨から採取した初代培養軟骨細胞を用いて実験を行う。
|