Project/Area Number |
23K10886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
栗原 千枝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (90532515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 正明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 内科, 講師 (40791637)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 食用昆虫 / コオロギ / 腸管炎症 / SDGs / 腸内細菌 |
Outline of Research at the Start |
食肉に代わる次世代のタンパク質源として注目される食用コオロギは、栄養価が高く低脂質で、健康の維持や増進に役立つと期待される。しかし疾病に対する効果は分かっていない。本研究では、腸管炎症および腸内環境改善に対する食用コオロギの有用性を、腸疾患モデルマウスを用いて評価するとともに、その機序の解明を試みる。得られた結果をもとに、安全で機能性の高い食品を提案し、腸疾患の予防や治療に結びつけることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
食生活の西欧化により引き起こされる腸内細菌叢の多様性低下(dysbiosis)が、炎症性腸疾患をはじめとする腸疾患、さらには肥満や脳神経疾患などの発症や増悪に関与することが指摘されている。一方、近い将来の深刻な食料不足に対し、食肉に代わる重要なタンパク質源として注目される食用コオロギは、良質なタンパク質に加えて多くの栄養素や食物繊維を含むうえ低脂肪であり、健康の維持や増進に役立つと期待される。本研究は、腸管炎症および腸内環境の改善に対する食用コオロギの有効性を明らかにし、安全で機能性の高い食品に応用することが目的である。 初年度は、培養細胞を用いて食用コオロギの抗炎症効果について検討した。コオロギの外骨格と同じ成分であるキチンには、抗炎症作用と腸上皮バリア保護作用があり、細粒化した粒子サイズによりその効果が異なることが報告されている。そこで食用コオロギ粉末を微粉砕機で処理し、粒径を走査型電子顕微鏡で評価した後に検討に用いた。粒径25-50μmのコオロギ粉末でマウスマクロファージ様培養細胞(RAW264細胞)を処理すると、抗炎症性サイトカインであるIL-10のmRNA発現が、粒径100μm以上の粉末に比べて増大した。また粒径25-50μmのコオロギ粉末で前処理したRAW264細胞では、LPS刺激で誘導された炎症性サイトカインTNFα のmRNA発現が、コオロギ粉末の濃度依存的に減少した。in vitro実験において、コオロギ粉末がLPS誘導性TNFα産生に対する抑制効果を示す結果が得られ、将来的に機能性食品への応用が期待できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、培養細胞を用いた実験で得られた結果をもとに、本年度中にマウスに対する食用コオロギの効果を評価する予定であったが、実験器具等の準備に時間を要し実験の開始が遅れた。そのため本年度中にin vivo実験の結果を得るまでには至らなかった。現在進行中であるので、次年度に結果を報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果から、コオロギ粉末が抗炎症効果を有することが示唆された。この結果をもとに、次年度は腸疾患モデルマウスを用いて腸管炎症に対する食用コオロギの効果をについて解析を進める。
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