Project/Area Number |
23K10890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
橋本 剛 香川大学, 医学部, 助教 (80380153)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | トロンビン受容体 / PAR1受容体 / 加齢性インスリン抵抗性 / インスリン分解酵素 / PAR1欠損マウス / 加齢性糖代謝異常 / インスリン抵抗性 |
Outline of Research at the Start |
凝固因子はプロテイナーゼ活性化型受容体1(PAR1)を介して慢性炎症惹起作用等の細胞作用を発揮する。応募者のこれまでの研究において、PAR1欠損マウスでは加齢によるインスリン抵抗性が特異的に抑制されていることを見出した。未だ不明な点が多い加齢に伴うインスリン抵抗性の機序に、加齢に伴う凝固能亢進がPAR1を介して慢性炎症を惹起し、誘発するとする仮説が得られた。そこで、PAR1欠損マウスを用いた生体レベルの解析および同マウスの組織から単離した脂肪細胞を用いた分子細胞レベルの解析により、加齢に伴うインスリン抵抗性におけるPAR1の役割と分子機構を明らかにし、その予防治療法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、野生型マウスは加齢に伴いインスリン受容体の反応性が低下し、この加齢性インスリン抵抗性の発症はトロンビン受容体PAR1を欠損させることで抑制されることを明らかにしてきた。そこで、この加齢性インスリン抵抗性の発症とPAR1欠損による抑制に、性差があるか検証したところ、雌マウスは雄マウスよりもインスリン感受性が高いことを見出した。そこで、50週齢以上の野生型マウスとPAR1欠損マウスで、肝臓、脂肪組織、骨格筋の代謝関連臓器における遺伝子発現をDNAマイクロアレイにより比較解析した。その結果、3つの臓器に共通して発現が亢進する遺伝子を4種、発現が低下する遺伝子を3種見出した。発現が亢進する遺伝子の中で機能既知の遺伝子はインスリン分解酵素のみで、発現が低下する遺伝子の中で機能既知の遺伝子はPAR1のみであった。そこで、性差および各種臓器(脳、肺、腎臓、肝臓、脂肪組織、骨格筋)に関するインスリン分解酵素の発現解析をリアルタイムPCR法にて行った。その結果、すべての臓器のインスリン分解酵素の発現は野生型マウスよりもPAR1欠損マウスで有意に高かった。さらに、野生型マウスの腎臓においてのみ、雄よりも雌の方がインスリン分解酵素の発現が有意に高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析したほぼすべての臓器において、野生型マウスよりもPAR1欠損マウスのインスリン分解酵素の発現が高いことが明らかとなった。そこで、細胞特異的PAR1欠損マウスに関して、マクロファージおよび血管内皮細胞特異的PAR1欠損マウスの準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
摘出脂肪組織由来から単離した培養細胞:PAR1アゴニスト(トロンビン、トロンビン受容体活性化ペプチド)を添加して、サイトカイン産生および活性酸素種の産生を評価し、炎症惹起作用の有無を明らかにする。各種シグナル伝達経路の薬理学的阻害剤の作用解析あるいはゲノム編集やRNA干渉法によるシグナル分子の発現抑制実験により、PAR1の活性化から炎症惹起に至る細胞内の分子メカニズムを明らかにする。 動物実験の計画:野生型と比較してPAR1欠損マウスにおいて、インスリン分解酵素が脳を含む全身の臓器で高いこと、インスリン分解酵素は認知症の原因タンパク質の1つであるアミロイドβの分解にも寄与する可能性があり、インスリン感受性と認知機能改善との関連を明らかにする。具体的には、加齢に伴うインスリン分解酵素の発現変動、オープンフィールド試験・新規物体認知機能試験にPAR1欠損が関与するか否かを明らかにする。
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