Project/Area Number |
23K10900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
小畑 孝二 岐阜医療科学大学, 薬学部, 准教授 (40378229)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 心臓 / 筋収縮 / エネルギー代謝 / 酸素消費 / 栄養 / 心機能 / エネルギー消費 / 心不全 / 食品成分 |
Outline of Research at the Start |
ラット摘出心臓の血液交叉灌流実験系によって、心臓の仕事量と酸素(エネルギー)消費の関係性を調べ、エネルギー代謝からみた心臓病予防あるいは有効な食品成分や治療法の提案を考えている。まず、心臓のATP産生における脂肪酸からグルコースへの変化を調べる。次に、高血圧や肥満のモデル動物ラットの心臓の特性を調べる。次に、それらの病態モデル動物にスペルミジンやEPA(DHA)といった食品成分を摂取させたときの効果を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、一生涯に亘り、元気に心臓がはたらき続けるためには、どんな栄養素が必要なのかを明らかにすることである。言い換えれば、栄養素の種類によって、心臓のはたらきに良いことや悪いことはあるかどうか、つまり、心臓のエネルギー代謝が、左心室の収縮や拡張といった機能を調節することはできるか、さらにはエネルギー代謝の異常が心臓病を引き起こす原因となるかを明らかにすることである。これまでに申請者は、高血圧による圧負荷のみで心不全に至る自然発症高血圧ラット(SHR)と、同系統で肥満と糖尿病から心不全を発症するSHR/NDmc-cp(CP)の、心臓のエネルギー代謝をメタボローム解析により比較した。その結果、ヒートマップでは群間でかなり違いがみられ、中心炭素代謝におけるグルコース代謝経路でGlucose 6-phosphate(G6P)およびFructose 1,6-diphosphate(F1,6P)は、正常群であるWKY群に比べ、SHR群およびCP群で明らかに増大していることが示された。これまで心機能の評価は左心室内にバルーンを挿入して、圧容積関係から求めていたが、これは等容性収縮であり、本来の心臓の動きと同等といえるが同じとは言えない。そこで、コンダクタンスカテーテルを用いて、生体内心臓での直接的な圧容積関係を調べることにした。そのため、新たに心機能解析装置一式の経費を献上した。まず始めに、β作動薬を投与することで、収縮期末容積関係の上方への移動による収縮性の上昇を確認した。今後、コンダクタンスカテーテルを用いた心機能解析方法で、上記の病態ラット心臓の計測を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、コンダクタンスカテーテルを用いた心機能解析で、自然発症高血圧ラット(SHR)や同系統で肥満と糖尿病を発症するSHR/NDmc-cp(CP)の左心室の収縮特性を明らかにする予定であった。しかし、このコンダクタンスカテーテルを用いた心機能解析装置一式は受注生産であり、コロナ禍等の影響で部品の輸入に時間がかかり、納品が大幅に遅れた。そのため、現在は、正常ラットを用いてβ作動薬による収縮性の評価等の確認実験を終了したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、脂質と糖代謝異常および高血圧の病態ラット心臓について、コンダクタンスカテーテルを用いた心機能解析方法により、計測を継続していく予定である。おそらく、心機能低下を認めると考えているが、ふたつの病態ラットで心臓の機能に違いは観られるか、また、その違いを分子機序で証明できるかについて調べる。そこで、心筋組織を採取し、mRNA発現やそれに関わるシグナル伝達系の解析等の生化学的な解析を行う予定である。また、形態的な変化が見られる可能性も十分に考えられるため、心筋組織をホルマリン固定し、切片を作成し、組織学的な解析も行なっていく予定である。以上によって、エネルギー代謝異常と高血圧による圧負荷(機械的なストレス)における心臓の機能に与える影響に違いを明らかにしていく。
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