Project/Area Number |
23K10904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
大平 英夫 神戸学院大学, 栄養学部, 准教授 (40351762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 亨 東北大学, 工学研究科, 教授 (80268523)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 細胞老化 / アルコール / 飲酒習慣 / セサミノール / 抗酸化作用 / プレバイオティクス / 腸内細菌叢 / 腸内細菌代謝物 / 老化 / 酸化ストレス / 大腸がん |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大腸がん発症に強く関与する「結腸老化促進」とその抑制への介入に主眼に置く。 中・高齢個体マウスへの、エタノール継続摂取に対する結腸組織の各種老化マーカーを評価し、ゴマリグナンの1つであるセサミノール(Ses)の組織老化抑制への特異性評価とその機序を解明する。 Sesの結腸への作用は、既知抗酸化能だけではなく、腸内細菌叢代謝物の追加効果が予測され、独自代謝物との関連性評価を検討する。加えて、「加齢条件」での複数老化マーカーと腸内細菌叢構造、菌代謝物分析より、Sesの老化抑制寄与に対し「既知抗酸化能」と「特異的代謝物」の両関与への仮説を立て、「結腸組織老化抑制」への効果を立証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
【目的】習慣的飲酒は疫学調査にて、大腸がん(CRC)罹患率増加の関与が示唆されている。日本のCRC年齢階級別罹患率は、性別関係なく40代から老年期に増加し、併せて飲酒とCRCに対する報告では、大量飲酒はもちろん、1日1杯以上の継続飲酒で発症リスクが相対的に増加と報告されている。加齢と飲酒習慣の複合的なCRC発症リスク増加機序について、我々は「結腸老化促進」が、発症に関わる強い因子となると想定した。加えて、抗酸化作用を有する、ゴマリグナンの1つ、非配糖体Sesaminol(Ses)が、「老化抑制」に寄与するかについて調査検討を行う。 【方法】5群のマウスに液状飼料を用い、10週間介入研究を行った。①開始10週齢:成熟対照群、②開始50週齢:中年齢対照群、③中年齢-Ses 1.2 mg/day群、④中年齢-Ethanol(EtOH)2.0% v/v/day群、⑤中年齢-EtOH+Ses(ES)群。介入中の体重、介入前後の糞便、12時間尿、介入後の各臓器、血漿を採取し、脂肪肝炎の評価を行った。 【結果】介入10週後の体重は、5群全て介入前に比べ増加を示した。成熟対照群(20週齢)に比べ、中年齢4群(60週齢)は、介入前から過体重を示し、介入後、最も体重量が増加した群は、中年齢-EtOH群であり、 Ses群は体重増加抑制傾向を示した。脂肪肝炎については、肝体重比、肝臓中性脂肪(TG)含量、血漿ALT活性、TG濃度にて評価した。結果、成熟対照群と比べ、中年齢対照群では、介入後、非アルコール性脂肪肝炎を認め、EtOH群では顕著なアルコール性脂肪肝炎を認めた。現時点では、各群の介入後の非アルコール性、アルコール性脂肪肝炎有無とその評価ができている。今後、採取した結腸組織に対し細胞老化マーカー評価、Sesの継続摂取による老化抑制評価ならびに、その機序について多方面から調査し、研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目の実験経過については、まず加齢と飲酒習慣との背景因子を可能な限り反映した、自然老齢(中年齢)マウスへのエタノール継続摂取モデル実験系を構築することができた。 当初の目的通り、液状飼料を用いた継続介入研究にて、中年齢-EtOH群、Ses群を含む、5群全てにおいて、介入期間中は突然死や摂食不良などを認めず、液状飼料を用いた継続飼育かつ、長期摂取量にて実施し、10週間継続介入可能な設定であることが確認できた。 併せて、成熟対照群、中年齢対照群の2群間、及び、中年齢-4群間の慢性肝炎障害レベルに差異を認めることが観察できており、現状において本実験開始後の計画は予定通りに進んでいる。 但し、中年齢マウス(12か月齢:48週齢)を入手する期間が、予定より8か月ほど遅れた事、併せて、順応期間2週間、介入期間10週間の実験期間-計12週間(3か月間)の経過を考慮すると、介入実験開始と介入後の時期は計画より遅れている。このことより、介入前・後の評価については順調に進行しているものの、開始時期が予定より遅れて始めざるをえなかった事情より、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の研究計画としては、介入後①20週齢マウス:成熟対照群(Young-Control(Y-Con群))、介入後②60週齢マウス:中年個体対照群(Aging-60 weeks Control(Age-Con))、③中年個体 セサミノール 1.2 mg/day群(Age-Ses)、④中年個体エタノール 2.0% v/v群(Age-EtOH)、⑤中年個体エタノール+セサミノール群(Age-ES)の計5群における、「結腸組織・細胞」老化マーカーと糞便中の腸内細菌叢、腸内細菌代謝物について分析、評価を行う。 「結腸組織・細胞」老化評価に対して用いるマーカーとしては、1)老化関連酸性ベータ-ガラクトシダーゼ(SA-ベータ-Gal)、2)Gamma H2AX、3)Lamin B1、4)p53/p21 pathway、5)pRB/p16 pathway、6)老化関連分泌表現型 (SASP)より、その評価行う。 上記1)から6)の細胞老化マーカー分析より、各群の老化進行レベルを評価する。併せて、抗酸化作用を持つゴマリグナンの1つ、Sesの継続摂取より、老化進行抑制作用の有無に対して解析を行う。 各群の「糞便中の腸内細菌叢」、「腸内細菌代謝物」については、腸内細菌叢構造解析より介入前・後の菌叢構造変化を分析、評価する。同時に、腸内細菌代謝物である短鎖脂肪酸量(酢酸、プロピオン酸、酪酸)、フェノール類量の分析より、結腸老化促進と腸内細菌叢構造変化、腸内細菌代謝物変化との関連性について評価検討を行う。 「結腸組織・細胞」老化と腸内細菌、その代謝物の質・量変化が、「加齢」と「飲酒」への関与を強く示唆することを確認できた際は、その後の研究方針として、その発生トリガー、機序について評価を推進していく予定である。
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