Project/Area Number |
23K10906
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
大西 正俊 福山大学, 薬学部, 准教授 (70587071)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 脳出血 / 抑うつ / キヌレニン経路 |
Outline of Research at the Start |
脳出血後遺症に伴う抑うつは、積極的なリハビリテーションの妨げになるため、結果として回復を遅らせる。我々はこれまで、必須アミノ酸の1つであるトリプトファンの代謝に関わるキヌレニン経路が脳出血後に変動し、その中間産物によってNMDA型グルタミン酸受容体の刺激が上昇することを見出した。一方で近年注目されているケタミンの新しい抗うつ効果の機序としてNMDA受容体遮断作用が有力であることから、この経路の変動が抑うつ発症に寄与している可能性が高いと考えられた。そこで本研究では、in vivo脳出血モデルを作成し、キヌレニン経路の制御が抑うつ行動に対し治療効果を発揮するか検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、脳出血後にindoleamine 2, 3-dioxygenaseとkynurenine 3-monooxygenase (KMO)が上昇し、そのことによってキヌレニン経路の中間産物であるキノリン酸(NMDA受容体アゴニスト)/キヌレン酸(同アンタゴニスト)比が変動することが神経障害の惹起に関与している可能性を示してきた。本研究において、KMOは少なくとも神経細胞、ミクログリア、および、アストロサイトのいずれにも発現していたが、脳出血時においては、遊離キノリン酸の上昇にミクログリアのKMOがほぼ100%の寄与をすることを明らかにした。したがって、脳出血後のNMDA刺激系の上昇にはミクログリアが主たる役割を果たしていると考えられ、これが脳出血後遺症に伴う抑うつ発症に関連しているとすると、ミクログリアを抑制するような薬物が抗うつ効果を示す以前の報告と一致する。脳出血後遺症に伴う抑うつについて、in vivoマウス脳出血モデルにおいては、脳出血のみでは抑うつ行動を示さなかったが、尾懸垂を繰り返すことによって、コントロール群よりも強い抑うつ行動を示した。つまり、脳出血は、それだけで抑うつを発症するわけではなく、ストレス耐性を低下させることが示された。このbehaviourに対し、KMO阻害薬であるRo61-8048は、単回投与で持続的な抗うつ効果の傾向を示した。これは、NMDA受容体遮断薬であるケタミンの抗うつ効果と類似している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vivo脳出血モデルにおける抑うつ行動の評価系が確立され、それに対して、KMO阻害薬であるRo61-8048が抗うつ効果の傾向を示した。再現性等、課題は残るが、2年目にはおおむね順調にメカニズムの解析に移ることができると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、脳出血によるストレス耐性の低下に対してKMO阻害薬であるRo61-8048が抗うつ効果を示すか再現性を取得し、そのメカニズムを解析する。具体的には、Ro61-8048の抗うつ効果がAMPA受容体遮断薬であるNBQXによってどのような影響を受けるか調べる。ケタミンの抗うつ効果は、NBQXによって消失することが報告されている。また、NBQXを投与した際の前頭前野におけるmTORのリン酸化についてウエスタンブロッティングにて検討する。順調に進展した場合は、Ro61-8048の依存性の有無について、条件付け場所嗜好性試験により検討する。ケタミンの依存性は深刻な欠点であるが、それがクリアできれば大きな意義がある。
|