Project/Area Number |
23K10938
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
川北 梨愛 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90933408)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ニコチンアミドモノヌクレオチド / マイクロRNA / 脳梗塞 |
Outline of Research at the Start |
NMNの代謝,加齢関連疾患に対する研究努力は多いものの,その有用性を裏付ける実験は不十分である.本研究はmiRNAの観点から,NMNの作用機序を解明するものである. 脳梗塞の新規治療薬としてのNMNの有効性をより深く理解し,NMNを臨床応用に繋げ,最終的には,NMN投与で特異的に変化するmiRNAを標的として,脳梗塞に対する新たな核酸医薬の開発を目指す. 脳梗塞は本邦の要介護の原因疾患の上位であり,高齢化が進む本邦において,脳梗塞の後遺症を軽減させる治療法の開発は急務である.また,脳梗塞に対する新たな治療法の研究は,神経細胞死が関連する,ALS等の神経変性疾患の治療にも応用できる可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スナネズミに対してニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の腹腔内投与を行った後に、一過性全脳虚血の処置を加える。研究の最初の段階として、全脳虚血前のNMN投与の適切なタイミングを検討する実験を行った。NMN投与群を3群に分けて、それぞれ全脳虚血0.5時間前、4.5時間前、8時間前にNMN投与を行った。また、虚血前にNMNを投与しない非治療群と、両側総頚動脈の露出のみを行ったコントロール群を作製し、NMN投与群との比較に用いた。虚血に対して最も脆弱とされる海馬で神経細胞数をカウントし、細胞数減少を最小限に抑制できたNMN投与群を、統計学的に検討した。検討の結果、全脳虚血0.5時間前のNMN投与群で、最も神経細胞数の減少が抑制されていた。このことから、全脳虚血0.5時間前のNMN投与は治療としての有効性が示唆された。 全脳虚血0.5時間前のNMN投与群、全脳虚血・非治療群、コントロール群の3群を対象として、マイクロRNAプロファイリングに向けた実験を行った。3群を対象に、外科的処置72時間後にY迷路試験による行動学的変化の評価を行い、その後sacrificeし、マイクロRNA解析用の血液・海馬組織を採取した。またマイクロRNA用の検体採取用のモデル動物とは別に、組織学的評価を目的としたモデル動物も作製し、それぞれNMN投与群、非治療群、コントロール群で海馬の神経細胞数の評価を行った。 現在は主要なモデル動物を用いた実験は完了しているが、解析方法を検討している段階であり、NMN投与によって発現変化が起こるマイクロRNAの候補の抽出には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属部署において複数の退職者が出たことで、学術研究にエフォートを割くことが難しい状態になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物の実験により、NMN治療群、非治療群、コントロール群の血液・海馬組織の検体の採取を完了した。今後はマイクロRNAプロファイリングによって、発現パターンに変化があったマイクロRNAを抽出し、標的予測を行う。 本研究ではNMN投与による血中・脳組織のNAD+濃度の変化を評価する予定であった。しかしパイロットスタディにおいて、採取した検体ごとにNAD+濃度が大きく異なり、採取後の検体で補酵素によってNAD+の分解が進むことなどが要因と考えられた。NAD+濃度の変化を正確に評価することが、我々の研究室環境では困難であり、今回の研究では血中・脳組織におけるNAD+濃度の測定は除外し、マイクロRNAの解析に重点を置いて、研究を継続する。
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