ヒト免疫システムを模倣したWeb3.0時代におけるクラウド・エッジ自動修復基盤の構築
Project/Area Number |
23K11066
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田村 慶信 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20368608)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | エッジコンピューティング / ヒト免疫システム / 信頼性 / 最適化 / クラウドコンピューティング / 深層学習 / Web3.0 |
Outline of Research at the Start |
クラウドに数百億台の機器がネットにつながるような未来の「超データ社会」を実現するためには,クラウドとのデータのやり取りをなるべく抑える必要があり,中央集権型のクラウドだけでなくエッジコンピューティングが鍵を握っている.本研究課題では,これまでになかったアプローチとして,ヒト免疫システムの自然治癒メカニズムに基づき,エッジコンピューティングの背後にある特徴量を自動で抽出し,不規則な障害拡散状態の特性を解明する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
現在,GAFAMなどのIT大手は多くのクラウドサービスを提供している.クラウドの人気は非常に高く,クラウドに数百億台の機器がネットにつながるような未来の「超データ社会」を実現するためには,クラウドとのデータのやり取りをなるべく抑える必要があり,中央集権型のクラウドだけでなくエッジコンピューティングが鍵を握っている.周知の通り,日本政府のデジタル庁は,2021年10月に,政府共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」として,「Amazon Web Services」と「Google Cloud Platform」を選択したと発表した.最近では,権力分散型のWeb3.0への変化の兆しもあり,こうした複雑化したサービスへの障害対策が急務となっている.本研究課題の1年目においては,免疫システムを模倣したバグの修正者自動割り当てメカニズムを深層学習により構築した.さらに,クラウドに対する複数のエッジからの相互作用を統計的独立性に基づき雑音として組み込み,一般化ジャンプ拡散過程モデルを提案した.例えば,入力データとしてクラウド稼働状況を示す総合データセットを適用し,損失関数として最適な修正者や報告者などを適用したネットワーク構造を構築することも可能である.このとき,ヒト免疫システムの自然治癒メカニズムに基づく適切なデータ構造制約を与えつつ最適解を模索することで,クラウド・エッジ特性の背後にある特徴量を自動で抽出し,不規則な障害拡散状態の特性を解明できる.実際のバグトラッキングシステム上のデータを活用しつつOSSの特性変化を生理学的・数理的・データ的観点から精細かつ定量的に評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
クラウドサービス関連の障害や情報事故が後を絶たない現状がある.本研究課題では,クラウド・エッジ環境に対して,ジャンプ拡散過程モデルの数理的深化と高性能化を目的とし,申請者の既存研究を数理的に精緻化したクラウド最適化フレームワークを確立することを目的としている.本研究課題の初年度においては,著書(分担執筆)2編,学術論文(査読付)10編(国際共著含む),国際会議論文(査読付)4編,研究報告1編,研究発表13件,招待講演4件,および受賞1件の研究業績を残してきた.特に,特筆すべき点としては,The IEEE 4th International Conference on Intelligent, Engineering & Management, London, UK, May 9-10, 2023の場において,AMITY GLOBAL ACADEMIC EXCELLENCE AWARD(アミティ大学国際学術優秀賞)を受賞した点である.これにより,長年のソフトウェア信頼性および最適化に関する国際共著による研究業績が認められた.上述した研究業績により,物理モデルを有する数理モデルと,内部をブラックボックスとして扱う深層学習という,相反するアプローチを用いることで,多角的な側面からエッジコンピューティング環境における信頼性と最適化を図ることが可能となった.特に,深層学習に基づくエッジコンピューティング環境における信頼性および最適化に関する研究をメインとした業績を多くアウトプットできており,本研究課題の初年度の進捗状況においては,順調であるといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目以降においては,1年目において提案された手法の実測データに対する適合性を証明するとともに,エッジコンピューティングに対する揺らぎ特性を有する稼働率を導出する.その際,実際のオープンなクラウドエッジ環境から得られた多次元複合データに基づき,提案モデルに基づく具体的な数値例を示す.2年目の目標としては,ヒト免疫による自然治癒メカニズムに基づく最適化研究を遂行し,深層学習に基づくフォールトビッグデータの学習と推定アルゴリズムを構築する.今後は,ヒト免疫機構を模倣することにより,OSSのバグトラッキングシステムに取り入れる仕組みを提案することで,様々なWeb3.0型サービスに対して安心・安全な分散型自立システムを構築できるものと考える.さらに,クラウド・エッジ環境のデータの流れを人体の循環器系として捉え,免疫システムに基づく深層学習により解明することで,揺らぎ特性をもつ確率モデルの精緻化が実現でき,生物学,社会基盤学,物理学などの様々な分野へ応用できる.特に,1年目においては,Wiener過程とジャンプ拡散過程における深層学習フレームワークを構築した.今後は,1年目における手法を応用した信頼性評価法を提案する予定である.また,ヒト免疫による自然治癒メカニズムに基づく最適化研究に関する論文,さらには障害復旧施策のシミュレーション結果に関する論文を,海外の査読付学術論文誌へ掲載する.
|
Report
(1 results)
Research Products
(36 results)