Project/Area Number |
23K11088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川原 亮一 東洋大学, 情報連携学部, 教授 (40822979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 達明 同志社大学, 理工学部, 准教授 (00834673)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | サイバーフィジカル / 同時最適化 / 最適化 / IoT / ネットワーク制御 |
Outline of Research at the Start |
ネットワークは仮想化技術等の進展によりサービスに必要な機能やリソースの柔軟な割当が可能となるが,選択肢の組合せが膨大となる.一方,IoTの進展に伴い性能指標が多様化し,ネットワークの利用形態も変化が進むと想定される.そこで,多様な性能指標を考慮したIoTによる実世界最適化のためのネットワーク制御技術の確立を目指す.その際,実世界最適化だけでなくサイバー空間最適化 (ネットワークリソース利用率最適化等) も同時に行う,サイバーフィジカル同時最適化の実現を目指す.実世界最適化のユースケースとして交通量制御・車車間通信に着目し,情報指向ネットワークといった新たなネットワーク技術を応用する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,サイバーフィジカル同時最適化というconceptを電子情報通信学会総合大会にて発表した.特に,V2X(vehicle-to-everything)通信により交通量を制御して実世界の性能指標(渋滞時間等)を最適化したい場合,(i)実世界性能指標がサイバー空間上での制御とどう関連するかは自明でない,(ii)実空間性能指標を最適化した場合,サイバー空間の性能指標(ネットワークリソース利用率平滑化等)が必ずしも最適とはならない,といった問題の所在を述べた.また数値実験を通じて,同時最適化検討の必要性を示した. また,同時最適化の観点での,従来のネットワークの性能限界把握を目的に,交通シミュレータとnetwork simulatorを用いて,LTEにおける通信リソースの割り当て方がセルラーV2X通信性能に与える影響を分析するための環境を構築した.また,あるリソースブロック割当の下,車両数等の条件を変えたときのスループット等を分析し,その結果を電子情報通信学会コミュニケーションクオリティ研究会にて発表した. また,新たなネットワーク技術としてICN(Information Centric Networking)を想定し,従来のネットワークでの性能限界の向上を目指して,ICNにおける制御法や必要な機能の検討に着手した.ICNでは,コンテンツ名を直接指定して通信し自律分散的にキャッシュできるため,各車に配信すべき情報を車の位置に応じてネットワーク内に予見的早期に分散配置し,各車が速やかに情報を入手することで,交通量制御による渋滞時間最小化とネットワーク利用率最適化の両者を実現できる可能性がある.シミュレーション環境を構築し,あるルーティング戦略とキャッシング戦略を組み合わせたときの有効性を評価し,電子情報通信学会ネットワークシステム研究会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・サイバーフィジカル同時最適化のためのネットワーク制御というコンセプトとその意義を学会発表することができた.その際,簡易な数値例を交えて同時最適化検討の必要性も示した. ・また,交通シミュレータとネットワークシミュレータを組み合わせて,より現実的なシナリオを想定したシミュレーション実験ができる環境を構築でき,既存のネットワークとしてLTEを想定したシミュレーション評価を行うことができ,既存のネットワークにおける性能限界を解明するための準備が整った. ・加えて,将来のネットワークとしてICNを想定したシミュレーション実験も実施できており,従来のネットワークでの性能限界の向上を目指して,ICNにおける制御法や必要な機能についての検討にも着手することができた. 以上により,本研究はおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) セルラーV2X通信による交通量制御を想定し,実世界最適化のためのリソース割り当て制御法を具体化していく.その際,シミュレータと強化学習・深層学習などを組み合わせるアプローチなどを含め,検討を進める.なお,交通量制御に限らず,他の実世界問題を題材にする可能性もある. (2) ICNを想定した手法の検討も継続的に進めていく予定だが,既存のネットワークにおける仕組みの性能限界分析結果(検討(1)の結果)を踏まえ,場合によっては検討(1)によりウエイトを置く可能性もある.つまり,検討(1)を継続・発展させることで性能向上が見込める場合は,検討(1)によりウエイトを置く.そのような可能性も含めて,検討を進めていく. なお,研究計画当初挙げていた,ICNにおけるネットワーク内部状態推定技術については,上記(1)(2)の検討状況に応じて,検討に着手するかどうかを考えていく予定である.理由は内部状態推定機能と制御機能を分けて構築すべきか,例えば推定と制御を一体的に行うアプローチがよいのか,も含めて検討したいと考えており,例えば(1)で状態観測とアクションを何らかの学習・制御メカニズムで行う場合には,後者となるケースがあるためである.
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