Project/Area Number |
23K11174
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61010:Perceptual information processing-related
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
奥田 正浩 同志社大学, 理工学部, 教授 (10336943)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 潜在バイアス / ハイパースペクトル画像 / ゼロショット復元 / 画像分離 |
Outline of Research at the Start |
ヒトが物体を認識する際,巨視的な物体の輪郭や形状,局所的なテクスチャ,および色情報を総合的に加味する.対して、従来のImageNetで学習したニューラルネットワーク(以下NN)は,形状や色よりも、細部のテクスチャを重視して認識をする傾向にある.潜在バイアスの中でもNNが有するとされるテクスチャバイアスは,自然画像に対しては有効である一方で,巨視的な特徴や色が認識に重要なファクタとなるデータに対しては,認識精度が劣化する.本研究では、NNの有する潜在バイアスをコントロールし、形状や色をより考慮した学習手法を提案するとともに,いくつかの認識タスクにおいてその有効性を検証することを目的とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,潜在バイアスを活用し,学習画像を一切必要としないハイパースペクトル画像のゼロショット復元手法を開発した.このアプローチは,特定のドメインにおける画像分類の精度を向上させるためにニューラルネットワークの形状バイアスを増加させる.これら研究成果は,国際ジャーナルと国際会議において複数の論文として発表された. 「Zero-shot Hyperspectral Image Denoising using self-completion with 3D Random patterned masks」では,3Dランダムパターンマスクを用いた自己完結型のハイパースペクトル画像のデノイジング手法を開発し,学習データを必要としない革新的なアプローチを提示した.さらに,「CNN Pretrained Model with Shape Bias using Image Decomposition」では,画像の分解を用いて形状バイアスを有する事前学習済みCNNモデルを構築し,その有効性を確認した. また,独自のデノイジング手法による成果をIEEE ICIP で発表し,さらに,「Effects on Selective Removal of Adversarial Examples for Noisy X-ray Images」では,ノイズの多いX線画像から敵対的な例を選択的に除去する効果について検証した.また,「Beyond Staircasing Effect: Robust Image Smoothing via L0 Gradient Minimization and Novel Gradient Constraints」と題した論文で,画像のスムージングに関する新しい手法を提案し,この手法が従来の方法と比較してロバストであることを実証した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究は,画像処理による形状,テクスチャ,色の各属性を分解・再構成することを目的とし,ニューラルネットワークのバイアス調整を通じて,特定のドメインにおける画像分類の精度を向上させる手法を開発することに集中していた.本研究目的を達成するために,イラスト画像などを用いた形状優位と色優位のデータセットを作成し,これらを活用した事前学習済みネットワークのファインチューニングを行い,バイアス調整による精度向上を目指した.
成果として,画像の分解を用いた事前学習済みCNNモデルを構築し,形状バイアスを増強させる事に成功し,形状バイアスを強調することによる精度向上の検証も行った. また,これを応用して画像のハイパースペクトル分析における新しいアプローチ「Zero-shot Hyperspectral Image Denoising using self-completion with 3D Random patterned masks」を開発し,従来のモデルでは難しいとされていた学習データを一切必要としない画像のデノイジングを実現した.この成果は,国際的なジャーナルと会議で発表し,評価を受けた. 前者の研究を主に担当した大学院生は信号処理シンポジウムでその成果を発表し,若手研究奨励賞を受賞した.また,研究代表者は情報計測セミナーにて「ニューラルネットワークのバイアスとZero-shot 画像復元」と題してバイアスの効果について講演を行った. 本来の計画では,形状,テクスチャ,色の属性に焦点を当てたバイアス調整を行うことにより,特定のドメインの精度を向上させることが主目的であったが,具体的にハイパースペクトル画像に対する新しいデノイジング手法を開発し,実際にそれをゼロショットで達成した点は,計画以上の成果であると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
連続的なバイアス調整とバイアス評価法に関するこの研究領域における主要な目標は,データセット内の画像に対して特定の属性(形状,テクスチャ,色)に重みを連続的に変化させることで,様々なバイアスレベルの学習データを生成することである.この過程では,生成されたデータに対するバイアスの影響を定量的に評価する新たな方法論を開発する必要がある.具体的には,異なる属性の優位性を評価するための指標を設定し,それに基づいて実験を行う.これにより,人間の主観に依存することなく,客観的かつ再現可能なバイアス評価が可能となる.
次に,ネットワークアーキテクチャの最適化を図る.特に,カーネルサイズやカーネルDilationの設定が形状やテクスチャバイアスに及ぼす影響に焦点を当て,これらのパラメータが画像分類の精度にどのように寄与するかを詳細に分析する.この分析結果を基に,画像認識の精度を向上させるための新しいネットワーク構造を設計する. 研究の実施にあたっては,以下の手順を踏むことが推奨される.まず,既存のデータセットを用いて初期の実験を行い,基本的なバイアスの影響を理解する.次に,実験結果を基にして,特定のバイアスを持つ画像を生成するためのアルゴリズムを開発する.さらに,これらの画像を用いてネットワークの訓練を行い,バイアスの定量的な評価とネットワークパラメータの最適化を同時に進める. これらの研究は,深層学習のなかでも特に画像分類でのバイアスの重要性の理解を深めるだけでなく,公平で透明な機械学習モデルの開発にも寄与することが期待される.さらに,ノイズやボケなどの画像劣化に対する耐性やAdversarlal Attackに対するロバスト性の向上にもつながることが考えられ,それらも含めて検証を行う.
|