「手足のような」道具操作を実現するためのわずかな遅延による好影響の要件の調査
Project/Area Number |
23K11182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟橋 健司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 公二 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80803931)
水野 慎士 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (20314099)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 身体所有感 / 自己主体感 / 人馬一体 |
Outline of Research at the Start |
道具操作の熟練者は道具が自身と一体であると認識し、手足のように感じると表現することがある。遅延を伴う実験における知見から、操作系における適切な遅延が道具の特性把握の助けとなり拡大的身体所有感に結び付くという仮説を立て、実験により検証した。適切な遅延が拡大的身体所有感を与え、操作成績を向上させることが示唆された。一方で、実験環境をわずかに変更した所、成績向上が確認できなかった。本研究では、操作自由度の制限や、手の移動量と道具の移動量の差異、タスクの難易度などが遅延による成績向上の有無に影響していると仮定して、この仮説を詳細に検証する。その上で、インタフェースの設計に寄与する知見を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遅延を伴う実験における知見から、操作系における適切な遅延が道具の特性把握の助けとなり拡大的な身体所有感に結び付くという仮説を立て、操作成績を向上させることを目的にこの仮説を詳細に検証している。予備実験により検証したところ、適切な遅延が拡大的な身体所有感を与え、操作成績を向上させることが示唆されている。しかしこれは、絶対的なものではなさそうである。構成を若干変更した再実験では成績は向上しなかった。 まず対象物移動タスクにおける、奥行き移動の制限あり、なしで、わずかな遅延による成績向上の変化を調べた。すなわち、2次元的な移動に制限した対象物移動タスクと、3次元的な移動を許容した対象物移動タスクで比較した。その他の要素も複合的に比較したところ、移動制限ありの場合に、成績の向上が示唆された。続いて、入力装置(手)の移動量と画面上操作点(マジックハンド)の移動量の比率の違いによる成績向上の変化を調べた。すなわち、手を10cm動かすと画面上のマジックハンドが、約7.8cm動く比率と、約15.5cm動く比率で比較した。その他の要素も複合的に比較したところ、比率の小さい場合に、成績の向上が示唆された。比率が小さいということは、すなわち細かな操作が容易になると考えられる。直感的には、いずれもタスクの「難易度」の低い方が、遅延による成績向上につながっているようである。しかし、これだけでは断定することはできない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象物移動タスクにおける奥行き移動制限の有無や、入力装置の移動量と画面上操作点の移動量の比率による違いを比較するための実験システムなど、構築は順調に進展している。また各実験に取り組んでいるところである。実験の結果も、概ね期待(予想)に近いものである。
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Strategy for Future Research Activity |
遅延の操作成績への好影響は、奥行き移動を制限したり、移動量比率を小さくしたりと、比較的難易度の低い、あるいは非常に限定的な環境においてのみ確認できるのかもしれない。すると、わずかな遅延により「手足のような道具操作」を実現することは難しいだろう。しかし、一般には悪影響であると捉えられている操作遅延(レイテンシ)も、場合によっては操作成績の向上につながることが示唆されているのは確かであり、このこと自体は非常に興味深いことである。 次年度は、対象物移動タスクにおけるターゲット台の大きさや、スタート台との位置関係を変えることで、成績向上の変化を調べる。また、「映像と音の同期-「動画先行の原則」の根拠と応用(桑原圭裕, 映像学, No.102, pp. 54-4, 2019)」という興味深い論文を見つけたところであり、関連の有無を含めて参考にしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)