Project/Area Number |
23K11220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61030:Intelligent informatics-related
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
飯村 伊智郎 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (50347697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 賀文 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (10413866)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 変分量子固有値法 / 進化的計算 / オプティマイザ / 量子機械学習 / NISQ |
Outline of Research at the Start |
量子ノイズを前提とした小規模のNISQデバイスでも動作する変分量子固有値法(VQE)が注目されている.一方でVQEは理論的高速性が保証されていない.理論的な保証がない以上,数値的・実験的な検証が必要となる.また,回路パラメータの最適化のプロセスにおいて,局所解やプラトーにトラップされ,大域的な最適解の発見に至らないことがある.本研究は,VQEの回路パラメータの最適化を高速化し解質を向上すべく,古典コンピュータでの最適化研究で有力となっている多点探索の進化的計算をVQEのオプティマイザに適用して数値的・実験的に検証し,その特徴や限界などを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 令和5年度(2023年度)は,交付申請書の目的を達成すべく次項を検討した.まず,これまでの変分量子固有値法(VQE)での古典計算におけるオプティマイザに対して,多点探索を行う進化的計算(EC)手法をどのように適用していくかを,群知能(SI)の1つである人工蜂コロニー(ABC)アルゴリズムを対象に,Julia言語での実装を想定して設計した.設計後は,量子アルゴリズムデザインのためのJuliaライブラリであるYaoを用いて計算機に実装し,ごく簡単な組合せ最適化問題(COP)を対象にその動作に誤りがないかを検証し,アルゴリズム的に正しい動作が保証されるまでこの検証を繰り返した.アルゴリズム的に正しい動作が確認できたため,次に,代表的なCOPの1つである数分割問題(NPP)をまずは具体的な対象問題として,複数回の計算機実験を重ね,VQEに対するABCアルゴリズムの適用可能性を検証した.計算機実験の結果,ABCアルゴリズムをオプティマイザとして適用した新たなVQEにおいて,COPの1つであるNPPを解くことが可能であることを確認できた.また,小規模なNPPを対象とした場合,試行波動関数(ansatz)は単純なもので解くことができることがわかった.上記の成果は,国際会議NCSP'24にて発表した. 【意義,重要性等】 本年度の設計を計算機に実装し,複数回の計算機実験を行った結果,EC手法の1つであるABCアルゴリズムをオプティマイザとして適用した新たなVQEにおいて,COPの1つであるNPPを解くことが可能であることを確認できたこと,そして小規模なNPPを対象とした場合,ansatzは単純なもので解くことができることを確かめられたことは,本研究において重要な知見が得られたことに値し,今後の研究において意義のあることであると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度(2023年度)の研究実施計画は次のとおりであった. これまでのVQEでの古典計算におけるオプティマイザに多点探索を行うECをどのように適用していくかを,SIの1つであるABCアルゴリズムを対象にJulia言語での実装を想定して詳細に設計する.設計後は,量子アルゴリズムデザインのためのJuliaライブラリであるYaoを用いて計算機に実装し,ごく簡単なCOPを対象にその動作に誤りがないかを検証し,アルゴリズム的に正しい動作が保証されるまでこの検証を繰り返す.その後,代表的なCOPの1つであるNPPをまずは具体的な対象問題として,複数回の計算機実験を重ね,VQEに対するABCアルゴリズムの適用可能性を検証する.上記成果に関しては,令和5年度内に学会で発表する. 先に述べた「研究実績の概要」から,本年度実施した研究は,上記の研究実施計画に従っておおむね実施できたと考える.このことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度(2024年度)は,前年度に得られた成果を振り返り,VQEの量子計算におけるansatz,そして古典計算におけるABCアルゴリズムのハイパーパラメータの調整等を行うべく,VQEの挙動を詳細に解析し,探索性能の向上を目指す.また,前年度においては,VQEでの古典計算におけるオプティマイザに多点探索を行うEC手法として,SIの1つであるABCアルゴリズムを対象としたが,探索性能向上の観点から他のEC手法(古典コンピュータでのこれまでの最適化研究で広く用いられている例えば粒子群最適化(Particle Swarm Optimization: PSO)アルゴリズムなど)や他の組合せ最適化問題への適用可能性を,計算機実験を通して検証する.上記の成果に関しては,令和6年度(2024年度)内に国内学会で発表する.また令和5 - 6年度(2023 - 2024年度)の成果は,令和6年度(2024年度)内に国際会議で発表する.
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