Project/Area Number |
23K11247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
服部 元信 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40293435)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | スパイキングニューラルネットワーク / 破局的忘却 / 海馬 / 大脳皮質 / 宣言的記憶 / 記憶と認識の統合 |
Outline of Research at the Start |
脳の機能において記憶はとりわけ重要であり,我々人間の知的な活動は記憶を抜きにしては語れない.記憶には様々な種類があるが,中でも言語によって表現することのできる事実や出来事に関する記憶は宣言的記憶と呼ばれ,我々人間が行う知的情報処理の基盤となっている.この記憶は,初めに脳の海馬に蓄えられた後,徐々に大脳皮質へと転写されると考えられているが,そのメカニズムは未解明である.本研究では,神経科学,解剖学,神経心理学などの知見を採り入れた工学的に有用な宣言的記憶の形成モデルを構築し,さらにその記憶に基づいた熟考型の認識システムを構築することで,将来の脳型知的情報処理システムの基礎を築くことを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,神経科学,解剖学,神経心理学などの知見を取り入れた工学的に有用な宣言的記憶の形成モデルを構築し,さらにその記憶に基づいた熟考型の認識システムを構築することを目的としている. 本年度の研究では,生物学的に妥当性のあるスパイキングニューロンモデルを用いたニューラルネットワークにおいて,高精度な認識能力を効率的に獲得する新しい学習方法についての研究を行い,その成果の発表を行った.この学習法は,生体の神経細胞間の学習則を模倣した,スパイクタイミング依存性シナプス可塑性(STDP)に基づいているが,これに重みの減衰機構を導入することにより,小規模なネットワークにおいて少ない学習回数で優れた性能が得られることを明らかにした.また,従来のスパイキングニューラルネットワークでは困難であった,新規な学習データのみによる追加学習を可能とし,破局的忘却が回避できることを示した.これらの研究成果は,The 6th International Conference on Information and Communication Technology (論文採択率:33.82%)で発表し,Best Paper Awardを受賞した. また,近年報告されている悪意のある微小な入力ノイズに対する頑健性の改善に関する研究も実施した.これは人工的なニューラルネットワークが人間と同様な知覚を獲得するための技術として重要である. さらに,宣言的記憶の形成に重要な役割を果たしていると考えられている海馬に関する最新の研究成果に関する文献調査,並びに,記憶の形成に関係する睡眠時の脳活動に関する最新の研究成果の文献調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究では,スパイキングニューラルネットワークにおける新しい学習法の構築に取り組み,良好な成果が得られたが,生体の海馬に関する知見をモデルに十分に取り入れることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,大規模な海馬-大脳新皮質モデルを構築することを目標としているため,これを実装可能な計算機環境の整備をさらに進める.また,深層ニューラルネットワークに関する研究は日進月歩であるため,研究室の大学院生にも研究協力者として,文献調査,学会における情報収集を依頼する.
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