Project/Area Number |
23K11261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
唐 政 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (90227299)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 人工免疫システム / 複素免疫計算モデル / 複素免疫ART(適応共鳴理論)ネットワーク / 複素進化アルゴリズム / 複素データ構造 / 計算モデルの適応性 / 共進化計算メカニズム |
Outline of Research at the Start |
申請者は1997年に生体の免疫応答システムに基づく人工免疫システム(Artificial Immune System, AIS)を提案した。本研究は、これまでの抗体独特性の調節ネット、クローン選択計算モデル、ネガティブ選択アルゴリズムといった人工免疫システムで処理できなかった位相や回転と振幅増幅・減衰などをもつ電磁波や光波などの波動信号に対し、複素免疫計算モデルを提案し、多様性をもつ複素免疫共進化システムを構築する。これにより、人工免疫システムの応用範囲は格段に広がるだけではなく、生体の免疫システムの動作原理の理解・解明につながることも大いに期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の実数系人工免疫システムでは対応できなかった波動信号、特に位相や回転、振幅の増幅と減衰を特徴とする電磁波や光波に対応するための複素免疫計算モデルを提案した。このモデルは、免疫システムの多様性と共進化メカニズムを模倣することを目指し、その応用範囲を拡大するとともに、生体の免疫システムの動作原理の解明に貢献することを目的としている。 研究の初期段階で、複素数を用いたデータ表現が波動信号の本質的特徴を捉えるのに適していることを確認した。これに基づき、複素免疫ART(適応共鳴理論)ネットワークと複素進化アルゴリズムを開発し、これらのモデルがパターン認識やアンテナアレーの制御問題において有効であることを検証した。 具体的な研究成果としては、複数の波動信号を同時に処理し、それぞれの信号の位相や振幅の特徴を正確に識別・分離する能力を持つ複素免疫計算モデルを構築した。このモデルは、従来の実数ベースのモデルに比べて、信号処理の精度と速度の面で顕著な改善を見せている。 また、この一年間で複素データ構造を使用した新たなクローン選択モデルの試作とテストを行い、特に高周波数の環境下での適応性とロバスト性を重点的に評価した。このモデルは、自然界の免疫システムが持つような高度な適応機能を模倣し、それを人工システムに取り入れることで、実世界の複雑で動的な環境における挑戦に対応できることを示している。 本研究は、人工免疫システムの理論と実践の双方において重要な進展を遂げ、複素数を利用することの有効性を確かに示した。さらに、これらの成果は生体の免疫システムの理解を深めるための新たな道を開くものであり、将来的にはより効率的で適応性の高い人工免疫システムの開発に寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、従来の実数系人工免疫システムが対処できなかった波動信号に対応するための複素免疫計算モデルを提案し、その有効性を示すための検証を行っている。初期段階では、複素数を用いたデータ表現が波動信号の特徴を適切に捉えることが確認され、複素免疫ARTネットワークや複素進化アルゴリズムを開発した。これらのモデルは、パターン認識やアンテナアレーの制御問題などで有効性が検証された。 特に、複素免疫計算モデルは複数の波動信号を同時に処理し、それぞれの信号の位相や振幅の特徴を正確に識別・分離する能力を持っている。このモデルは従来の実数ベースのモデルよりも信号処理の精度と速度で顕著な改善を示している。さらに、新たなクローン選択モデルも開発され、特に高周波数の環境下での適応性とロバスト性が評価された。 本研究の成果は、人工免疫システムの理論と実践の両面で重要な進展を遂げ、複素数を利用することの有効性を確認した。これにより、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次の段階では、複素免疫計算モデルのパラメータ、変異、および選択の相互関係を適応的に調整するための研究を推進する必要がある。このためには、以下のようなアプローチが考えられる: 1. 自己調整型アルゴリズムの開発: パラメータ、変異、選択の相互関係を自動的に調整するアルゴリズムを開発する。これにより、適応性が問題解決の効率と計算時間量に対して常に最適に保たれる。 2. 機械学習の導入: データ駆動型アプローチを使用して、アルゴリズムの適応性を向上させるための最適なパラメータ調整手法を見つける。機械学習モデルを使用して、アルゴリズムの動作をモニタリングし、最適なパラメータ設定を自動的に学習することができる。 3. 多目的最適化: アルゴリズムの目的関数に複数の目標を組み込み、適応性と他の評価基準(例えば、計算時間、解の多様性など)のバランスを取る。これにより、最適なパラメータ設定を見つけるためのより包括的なアプローチが可能になる。 4. 進化的アルゴリズムの改良: 進化的アルゴリズム自体を改良し、適応性を向上させる新しいメカニズムを導入する。例えば、進化戦略や遺伝的アルゴリズムの新しい変異操作や選択手法を探求する。 これらのアプローチを組み合わせることで、複素免疫計算モデルの適応性を向上させ、最良解に向かう適切な探索を実現するための研究が進められると期待できる。
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