Project/Area Number |
23K11280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石沢 千佳子 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00282161)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | カテゴリカル色 / 色度 / 色の対比効果 / 視覚心理実験 / 計算モデル / 機械学習 / 液晶ディスプレイ / 色域 / カテゴリカル色知覚 / 発光色 / CAPTCHA |
Outline of Research at the Start |
本研究では,本来の色名とは微妙に異なる色を,その色名の色として認めることが可能な要件を明らかにするための研究を行う。具体的には,カテゴリカル色知覚によって分類されるディスプレイ表示色の境界を明らかにし,色知覚に影響を与える条件を用いた場合の変化を解析する。さらに,ディスプレイに表示された色を,本来の色名とは異なる色名に認識させるシミュレーションを行い,カテゴリカル色知覚を利用したCAPTCHA開発の可能性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
はじめに,D65光源下に置かれた液晶ディスプレイ(LCD)に表示した色のリストの中から,指定された色名の色を選出する視覚心理実験を行った。指定色名は8種類のカテゴリカル色(赤,茶,橙,黄,緑,青,紫,桃)であり,被験者は21名(20代男性13名女性8名,虹彩:ブラウン,三色覚)である。選出された色のRGB値を,実際にLCDに表示された色のXYZ値へ変換し,xy色度図へプロットすることによって,「カテゴリカル色知覚によって分類されるLCD表示色の範囲を可視化」した。その結果,紫と桃,桃と赤,などのように,色相が隣り合う色名の範囲はオーバーラップし,「二つの色名に認識可能な範囲が存在する」ことを確認した。 次に,視覚心理実験の結果を機械学習を用いて学習し,「色のRGB値を入力すると,その色が各カテゴリカル色に認識される割合を推定する計算モデル」を作成した。学習の際,何れの色名にも選出されなかった色を学習に用いるか否かについて検討を行った結果,該当する色名が無い旨のラベルを付して学習に用いると,視覚心理実験の結果に近い推定が行えることを明らかにした。 また,色の対比効果によってカテゴリカル色に認められる色の範囲が変化するか否かを明らかにするため,5種類の背景色(白,黒,灰,高彩度補色,低彩度補色)を用いて,赤,黄,緑,青の各色名に認められる色を選出する視覚心理実験を行った。その結果,「背景色を変えることによって,黄,緑,青の色名に認められる範囲は広がる可能性がある」ことが明らかになった。 さらに,色域の異なる4種類のLCDに同一の色のリストを表示し,緑に認められる色を選出する視覚心理実験を行った。その結果,緑に認められる色の範囲は,LCDの色域の大きさに従って異なることを確認した。この結果は,「人が相対的にカテゴリカル色を認識している」ことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,8種類のカテゴリカル色の色度範囲を調査した実験結果に基づき,RGB値から色名を推定する計算モデルを作成することができた。この計算モデルを用いると,実験で用いた液晶ディスプレイに任意のRGB値の色が表示されたときに,どのカテゴリカル色にどの程度の割合で認識されるのかを推定することができる。また,この計算モデルには,推定対象色のRGB値の他に,背景色のRGB値も入力することができる。そのため,今後,異なる背景色を用いた実験結果の検討に利用することが可能である。さらに,RGB値の入力部分を拡張すると,異なる照明光下で認識される色についても推定が行えるため,様々な条件下における色の認識に関する検討に活用することができ,本研究を推進することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
色の対比効果によってカテゴリカル色に認められる色の範囲が変化するか否かについて,今年度は,赤,黄,緑,青といった一部のカテゴリカル色を対象とした調査を行った。今後は,この4種類以外のカテゴリカル色を対象に視覚心理実験を行い,検討を加える。また,色合いの異なる照明光下においてカテゴリカル色に認められる色の範囲が変化するか否かについても検討を加える。 色域の異なる液晶ディスプレイ(LCD)に表示される色について,今年度は,緑に認められる範囲を明らかにする調査を行った。今後は,赤と青にそれぞれ認められる範囲を調査する。さらに,LCDの色域の大きさ等を基に,赤,緑,青のカテゴリカル色に認められる色の範囲をLCD毎に推定する手法についても検討を加える。
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