Project/Area Number |
23K11320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高谷 大輔 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任講師(常勤) (50571395)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 理論創薬 / データ前処理 / 分子モデリング / 相互作用解析 |
Outline of Research at the Start |
創薬研究の初期段階では、計算機を用いた分子モデリング、分子シミュレーションといった計算科学的手法が用いられ、前者の主たる目的の一つは後者の適切な実行が挙げられる。このシミュレーション等への入力構造の前処理過程では研究者の個性が多く反映され、意外にも決定版的な手法は存在しない。そこでこの領域に統一的な方法が必要と考え、これらの処理過程をプログラミング言語のふるまいレベルでその使い方を整える事で解決可能か調査及び研究を行う。このような統一的計算処理法を可能とする事で、計算結果の振れ幅の大幅低減された系統的結果の取得を目指し、今後のAI構築等のデータ蓄積への貢献を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
創薬研究の探索研究段階において、新規化合物の設計、分子モデリング、活性値等の予測などを計算機上で行う理論創薬分野では、現在も様々な新規手法が開発されるなど活発な研究が行われている。その中でも、シミュレーション計算を行うには実験データ等から得られる構造が必要であるが、その入力構造の前処理は多岐にわたり、統一的な方法は存在しない。そこで、分子モデリング等の過程で統一的な計算処理を可能とすることで、計算結果の振れ幅が軽減された系統的結果が得られることを本研究の目的とした。 創薬ターゲットとなる分子は、主として生体高分子であるタンパク質であるが、データベースから入手した座標データの状態では、水素原子が存在しないなど、多くのケースでそのままではシミュレーションなどに用いることができず、いわば「前処理」が必要である。本研究では、まず基本的な原子や残基の補完機能及び多くのケースに対応する前処理プログラムを作成した。検証セットとして、PDBのサブセットであるタンパク質のフォールドのデータベースであるSCOP2.0に含まれる約5000以上のタンパク質を選定し、当該プログラムの動作検証を実施した。得られたモデル構造を用いてフラグメント分子軌道(FMO)法による計算を実施した結果、少なくとも90%以上のターゲットにおいてFMO計算が完了し、FMO計算で得られる特徴的なデータであるIFIE及びPIEDAを分析し傾向を解析した。 また研究期間を通じて、検証や学習に用いる参照するデータベースの調査及び最新の分子モデリング関連の研究を参照して、本プログラムで対応すべき機能について調査し、適時論文等で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は全研究期間を通じて使用する網羅的に前処理を行うプログラムを新規に開発した。まず基本的な処理はMOEのSVLの機能を組み合わせて実行可能にした。例えばループ構造やアミノ酸残基の移植関連のコードは既存の関数を呼び出すのではなく、自身で作成した。このことにより自身の意図するパラメーター設定が可能になった。 本プログラムの検証セットとして、現時点ではPDBのサブセットであるSCOP2.0に登録されている実験構造のタンパク質約5000構造を選択している。本データセットに対して本プログラムが正常に動作するか予備検討を行ったところ、少なくとも90%以上のタンパク質についてフラグメント分子軌道(FMO)法の計算が正常終了する事を確認した。さらに、本データセットには複数の分子からなるタンパク質間相互作用をもつデータが含まれていたため、モノマー構造の手順を拡張し同様の前処理を行えるようにした。また巨大分子の座標データであるmmcifファイル形式のデータについてもPDB形式に変換する事で対応した。また現時点でFMO計算による得られたデータを解析し、その成果について論文投稿を準備中である。 またデータベースの調査及び最新の分子モデリング関連の研究を参照して、本プログラムで対応すべき機能についての調査し、適時論文等で報告を行った。(論文は受理済みだが公開時期は未定)
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きプログラム開発を行い、検討条件を広げていく。現時点では、前年度までにおこなったタンパク質以外にも、創薬に重要とされる低分子構造についてもプロトン化状態やコンフォメーションなどの条件を考慮可能にするプログラムやスクリプトの開発予定である。また前年度までに得られている本プログラムを用い得られたFMO計算による結果については、解析をすすめ論文化をすすめる。 すでに実装済みのルーチンについても他の手法も検討し、計算に及ぼす影響を調査する。 最新のデータベースの調査及び最新の分子モデリング関連の研究を参照して、本プログラムで対応すべき機能についての調査し、可能な場合は取り込む。適時論文や学会発表等で報告する予定である。
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