Quantification of the microplastic inventory in the waters of the western Arctic Ocean and microplastic influx from the Pacific Ocean
Project/Area Number |
23K11414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
池上 隆仁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 副主任研究員 (70725051)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / インベントリー / 物質循環 / 沈降フラックス / バイオフィルム / 細菌叢 / セディメントトラップ |
Outline of Research at the Start |
マイクロプラスチックとその付着物質の流入は海洋生態系への影響が懸念され、深刻な海洋汚染問題となっている。西部北極海は低緯度からのマイクロプラスチックの潜在的な集積場所であるにも関わらず、定量的データが限られ、汚染の現状はほとんど分かっていない。本研究では、西部北極海のマイクロプラスチックの1)水柱における存在量、2)太平洋からの流入量、3)海氷融解時の深海への鉛直輸送量、4)付着微生物群集組成とバイオマスの4点を徹底調査し、マイクロプラスチック汚染の現状を明らかにするとともに、極域に特有の現象である海氷の消長がマイクロプラスチックの分布や循環にどのように寄与しているのかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、太平洋側北極海(チュクチ海、ボーフォート海、東シベリア海)のマイクロプラスチック(MPs)の存在量、太平洋からのMPsの流入量、海氷融解時に放出されるMPsの鉛直輸送量の定量化及びMPsの付着微生物群集組成の解明を目的としている。 令和5年度は、ボーフォート海南部で採取した表層ネット試料を用いて、ボーフォート海南部の海水中のMPsの存在量と分布を世界で初めて明らかにし、主著論文の公表まで達成できた。また、チュクチ海で先行して行った海水中のMPs存在量の研究成果とも併せて、一般講演、学会発表(招待講演)、サイエンスアゴラ等の科学展示で広くアウトリーチを達成できた。北海道大学水産学部練習船おしょろ丸の北極航海に参加し、これまでに研究例のほとんどないベーリング海峡周辺で表層ネット試料を採取した。採取した浮遊MPsとその他の浮遊粒子の付着細菌群集のDNA分析、現場表層海水中の細菌群集のDNA分析を年度内に完了することができた。インド研究機関National Centre for Coastal Research(NCCR)との共同研究では、チュクチ海、ボーフォート海の堆積物中のMPsの測定・解析を実施し、堆積物中のMPs分布に関する共著論文の初稿作成までを達成できた。また、太平洋側北極海よりもMPsが多く分布する西部北太平洋の海洋沈降粒子試料を用いて、予察的に顕微FTIR分析のための前処理方法、MPs定量方法を検討した。その結果、沈降粒子試料によるMPsの鉛直輸送量の定量方法を確立することができた。海氷融解時に放出されるMPsの鉛直輸送量を明らかにするため、予察的研究で得られた手法を用いて、北極海の海洋沈降粒子26試料について試料前処理までを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ボーフォート海南部の海水中のMPs存在量の定量化については、試料の測定と並行して、先行研究の文献調査や共同研究者達との測定データの議論を進めた。そのため、測定完了後に迅速にデータのとりまとめと論文執筆を行うことができ、予定よりも早く令和5年度内に論文公表を達成することができた。北極航海においては、航海の首席研究者、乗船研究者、乗組員の方々と密接に連携し、効率的に試料採取を進めることで、予定より多くの試料を採取できた。浮遊MPsの付着細菌DNA分析については、所属機関内、北海道大学内の海洋細菌の専門家に相談するとともに、事前に最適な手法を絞っていたため、令和5年度内にDNA分析を完了し、その後のMPsの材質測定まで達成することができた。インドNCCRとの共同研究においては、共同研究者と適宜対面及びメールで分析データについて議論し、論文の初稿作成まで達成することができた。以上のことから、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
北極海の浮遊MPsとその他の浮遊粒子に付着する細菌叢を比較し、MPsに特異的に付着する細菌やMPsのサイズによる細菌叢の多様性の違いについて令和6年度内にとりまとめ、論文執筆と査読付き国際誌への投稿を目指す。北極海の堆積物中のMPs分布に関するインドNCCRとの共著論文の初稿を令和6年度内に改訂し、査読付き国際誌に投稿する。また、北極海におけるMPs分布と海氷域における鉛直輸送量を把握するため、引き続き、過去航海で取得した北極海のMPs試料の分析を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
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[Presentation] 南極海と南太平洋東における海表面マイクロプラスチックの分布量2023
Author(s)
中嶋亮太, 野牧秀隆, 長船哲史, 大西拓也, 横地駿, 池上隆仁, 野口真希, Shiye Zhao, 高橋一生, 池原実, 津田敦
Organizer
東京大学大気海洋研究所 共同利用研究集会「白鳳丸世界一周航海(HEAW30)による科学成果」
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