Project/Area Number |
23K11490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 幸敬 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (70211878)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | スラグ流 / 連続生産化学プロセス / グリセリン / ラクチド / 乳酸 / リグニン / 5-ヒドロキシフルフラル |
Outline of Research at the Start |
地球環境保全に貢献するカーボンニュートラルを指向した炭素変換反応を対象として、オンサイトでの大量生産を実装可能なマイクロ流路化学反応プロセスの体系化を目指した研究課題である。具体的には、廃食用油からバイオディーゼル燃料を生産する際に副生する廃グリセリンアルカリ水溶液からポリ乳酸の原料であるラクチドを生産する2つの炭素変換反応をケーススタディーとする。化学プロセスとして、互いに混和しない交互流(スラグ流)を用いて連続生産する反応抽出プロセスに着目した。まだ、体系化されていないスラグ流の反応抽出の効率化の鍵となる因子について検討し、連続生産化学プロセスの体系化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,地球環境保全に貢献するカーボンニュートラルを指向した炭素変換反応を対象として,オンサイトでの大量生産を実装可能なマイクロ流路化学反応プロセスの体系化を目指している。対象として,互いに混和しない2相の交互流であるスラグ流を用いた反応抽出プロセスを設定し,その効率化のための様々な因子の体系化を目指している。2023年度は特に,①「水相での反応速度の制御が与える影響」②「界面での物質移動速度の制御が与える影響」について,当初設定したケーススタディーよりケースを拡大して研究を進めた。 ①については,主要なバイオマスであるリグニンの構成成分の一つであるバニリンから,バニリン→バニリルアルコール→クレオソール→グアイアルコールの逐次反応を温度や滞留時間を調整することで目的生成物の収率を制御できることを明らかにした。この成果を2024年3月の化学工学第89年会で発表した。 ②の「界面での物質移動」についても,5-ヒドロキシフルフラル(HMF)の水相から有機相への界面を通過する移動速度が,界面厚みの大きさと負の相関があること,界面活性剤は界面に存在すると移動の障害となりえること,へミンはHMFの界面移動を促進しその機構が分子親和性に起因することを明らかにし,これの成果を第42回溶媒抽出討論会の連合年会で発表した。 以上の成果は,本課題の目的であるスラグ流を用いた反応抽出プロセスの重要因子の体系化直接貢献する成果であり意義深い。2024,2025年度はケーススタディーを拡げて因子を抽出して体系化を目指す研究を継続するとともに,当初設定のケーススタディーについても研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の目的である,互いに混和しない2相の交互流であるスラグ流を用いた反応抽出プロセスの効率化のための主要な2つの因子の体系化を目指すことについて,5の概要で述べた通り,ケーススタディーを拡大して成果を得た。その成果を3つの学会で発表したので,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題の目的である,互いに混和しない2相の交互流であるスラグ流を用いた反応抽出プロセスの効率化のための主要な2つの因子の体系化を目指すことについては,ケーススタディーを拡大することで更なるデータを蓄積し,主要な因子の解析による体系化を目指す研究を継続する。 当初設定している,廃グリセリンからポリ乳酸原料(主にはラクチド)を生産するケーススタディーについては,反応触媒が界面付近に局在することが重要な因子であることが新たに明らかになりつつある。2024年度は,本事象についてアプローチすることが急務であると考える。具体的には,界面活性剤を臨界ミセル濃度以下で供給し,そのヘッドグループの静電気作用で金属触媒を界面に配向させることを想定している。ナノ金属触媒をスラグ流界面に局在させることそのものが新規なアプローチであるが,当初予定のラクチド合成のためにも乗り越えなければならない障壁であると考えており,本事象に力を入れる予定である。
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