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アオコを用いた新たな窒素・リン再利用・循環システムの検証

Research Project

Project/Area Number 23K11493
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

伊藤 祐二  鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (60526911)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Keywords省資源型農業 / 窒素循環 / リン循環 / アオコ / 肥料 / 蒸散量 / 土壌水分量
Outline of Research at the Start

アオコは,貯水池等の水域で窒素やリンを吸収して増殖する植物プランクトン(藍藻類)が大増殖する現象であり,通常,回収され廃棄物となる.一方,高濃度の窒素とリンを吸収するアオコを,肥料として利用できれば有用な資源となり得るが,その有効性は不明である.本研究では,水域からアオコを回収した場合の窒素・リン回収量を,特許技術のアオコ回収-固形化システムを用いて現地で測定する.また,回収したアオコを土壌と混合し作物栽培で利用した場合の窒素・リン収支および栽培土壌の物理-化学特性に及ぼす影響を室内実験によって調べる.資源の乏しい日本で重要な循環型農業の実現に対し,藻類の有用性を評価する基礎研究となる.

Outline of Annual Research Achievements

本研究では,水域から回収したアオコに含まれる全窒素(TN)と全リン(TP)を推定することを第1の目的とした.本目的に対し,令和5年10月~11月に埼玉県東武動物公園内の遊水池にアオコ回収-固形化システムを設置し,アオコの回収を行った.期間内のアオコの全回収質量,含水率を測定し,アオコの乾燥質量を明らかにした.回収アオコを分解・前処理し,オートアナライザーでTNとTPを測定し,アオコの乾燥質量当たりのTNとTPを明らかにした.
本研究の第2の目的として,アオコを土壌に混合するシアノバクテリゼーションが土壌の物理特性に及ぼす効果を評価した.本目的に対し,質量混合比が50%となるようにアオコを土壌に混合し,土壌の水分保持特性を土壌水を蒸発させながら測定する装置(HYPROP2,Meter社)で明らかにした.また,混合土の水分飽和時の透水性を別途実験(変水位飽和透水試験)によって明らかにした.求めた水分保持特性と飽和透水係数のデータを既存の鉛直1次元水分動態モデルに入力し,土壌水分と蒸散量の変化を推定した.その結果,土壌はアオコの混合によって,透水性が著しく低下し,土壌水分を強く保持する(水が土壌に強く吸着する)ようになることが分かった.これらの物理特性の変化により,根からの吸水が困難で土壌水分が利用されにくく,蒸散が抑制されることを明らかにした.これは,シアノバクテリゼーションによって作物が利水困難になることを示しており,アオコの土壌への混合割合をその質量比で少なくとも50%未満に設定する必要があることが分かった.なお,数値モデルの計算結果の妥当性は,市販の培養土で育てたバジルの栽培実験結果とモデル推定値との比較によって確認した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

水域から回収したアオコの全窒素(TN)と全リン(TP)の推定(目的1)については,アオコ回収-固形化システムによるアオコの回収及び化学分析によるTNとTPの定量化をR5年度に計画した.R5年9月に同システムを埼玉県東武動物公園内の遊水池に設置し,10月~11月にアオコを回収するとともに,期間内の全回収質量と含水率を測定した.同時に回収したアオコ試料をオートアナライザーで分析し,TNとTPを定量化した.当初計画では,6月からシステムを設置・稼働する予定であったが,対象地の選定,設置許可,電源確保等の設置方法が難航し,当初計画通りに進めることができなかった.ただし,R5年度のシステムの稼働は次年度に向けた準備段階として予備的に行うことを想定していたため,計画は概ね順調に進展していると考える.
アオコを土壌に混合した場合のシアノバクテリゼーション効果(目的2)については,作物栽培実験に基づいた土壌の物理-化学特性の評価をR5年度に計画した.まず,培養土を用いて栽培実験を行い,土壌の物理特性及び土壌の物理特性試験と数値シミュレーションによる作物(バジル)の生育状況の評価を行った.数値シミュレーションは当初計画にはなく,新たに計画した解析である.数値シミュレーションは,培養土にアオコを混合した場合と混合しなかった場合の土壌の物理特性が作物の生育状況に及ぼす影響を定量的に評価することができるため,本研究目的に対して有用な手法である.アオコの回収(目的1)が遅れたため,本年度に土壌の化学特性試験は行えなかったが,数値シミュレーション解析を新たに実施でき,シアノバクテリゼーション効果の物理特性について,より深く有益な成果を得ることができた.このことから,計画は概ね順調に進展していると考える.

Strategy for Future Research Activity

R6年度のアオコ回収-固形化システムの稼働は,当初の計画通り6月から行えるように準備している.データについてもR5年度の実施内容と同様に取得していく計画である.回収アオコの全窒素(TN)と全リン(TP)の分析については,当初計画のオートアナライザーによる分析に加え,学内の機器分析センターで管理・運用されている蛍光X線分析装置による分析も行い,確実性と精度を高める分析を推進する.最終的には,両装置による分析結果より,回収した全アオコによって水域から回収できるTNとTPの総量を評価する.
アオコ混合土壌のシアノバクテリゼーション効果の評価については,培養土に対するアオコ混合割合を変えて土壌の水分保持特性と透水性の試験及びそれらのデータを用いた数値シミュレーションを引き続き継続して実施する.作物栽培に適したアオコの混合割合を明らかにしたうえで,アオコ混合土を用いた栽培実験を行い,生育前後の土壌の化学特性を評価する.分析には,オートアナライザーと新たに導入した蛍光X線分析装置を用いる.なお,計画では栽培作物にリーフレタスを用いる予定であったが,予備試験の結果,栽培しやすく生育のよいバジルを使用する(R5年度にバジルで実験済み).

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Elucidating the seasonal dominance replacement mechanism of harmful raphidophytes Chattonella marina and Heterosigma akashiwo using the Lotka?Volterra model2024

    • Author(s)
      Shinohara Kengo、Ito Yuji、Okunishi Suguru、Maeda Hiroto
    • Journal Title

      Ecological Modelling

      Volume: 491 Pages: 110660-110660

    • DOI

      10.1016/j.ecolmodel.2024.110660

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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