Project/Area Number |
23K11498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村山 憲弘 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90340653)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ラダー型環状有機オリゴマー / ノーリア / 金 / リサイクル / 還元回収 / 低環境負荷 |
Outline of Research at the Start |
ノーリアと呼ばれる固体状のラダー型環状オリゴマーを回収剤に用いて、金属イオンの混合溶液から金だけを選択的かつ還元金の粒子として分離・回収する画期的なプロセスを構築することを目指している。ノーリアが有する金に対する特異的な選択的還元能を利用して、ろ過可能な粒子にまで凝集された金として水溶液から分離・回収する工程と、金粒子を含む回収物からノーリアだけを弱アルカリ域で全溶解させて、高純度の金の粒子をろ過で分離する工程から構成される。ノーリアの選択的還元能の評価とメカニズムの解明を試みる。金回収後のノーリアを繰り返し利用する可能性を検討した後、構築した回収プロセスの実証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ノーリアと呼ばれる固体状のラダー型環状有機オリゴマーを還元回収剤に用いて、金属イオンの混合溶液から金イオン(陰イオン種)だけを選択的かつ還元金の粒子として分離・回収する画期的な湿式処理プロセスを構築することである。今年度の研究では、金が微量に溶解している廃液や都市鉱山由来の酸浸出液などへの適用を想定して、ベースメタル(鉄、銅、アルミ、ニッケル、コバルトの5種)が様々な濃度比で共存する金イオンの溶液や、貴金属間の分離のために白金族金属が様々な濃度比で共存する溶液を主たる研究対象とした。特に、金イオンを微量に含む塩酸系の金属イオン混合溶液にターゲットを充てて、水溶液からの金の選択的還元回収能におよぼす塩化物イオンや塩酸の濃度の影響を詳細に調べた。 ノーリアを用いて、水溶液中の微量な金イオン(10ppm)のほぼ全量を回収できることを明らかにした。金イオンに対して10倍~100倍の濃度で共存するベースメタルの混合溶液に対しては、回収率は値は低いものの、塩化物イオンや塩酸の濃度の影響を受けて、金とともにわずかにベースメタルが回収される現象が見られた。この場合、後の工程で酸洗浄などを施すことにより、金との分離が可能であると考えられる。白金族金属の混合溶液では、金イオンに対する高い選択性を持つことがわかった。得られた一連の実験結果から、金イオン以外の共存金属イオン濃度が高い塩酸系の混合溶液に対しても、ノーリアの金イオンに対する優れた選択的回収能が維持されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進んでいると判断できる。塩酸系の様々な混合溶液から金イオンだけを選択的に回収できるといういくつかの優れた研究成果が得られはじめた状況である。学会発表や論文投稿を中心に研究成果の公開に注力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって研究展開を行う。2年目にあたる令和6年度の主な研究内容は、初年度の検討項目を拡張しながら実験データを蓄積することである。具体的には、塩酸系における継続的な検討に加えて、王水系からの金回収の実験データを蓄積するとともに、回収された金の形態(イオン種か還元粒子かなど)を詳細に調べることである。当初の研究計画を変更したり、研究遂行上の課題は見当たらない。
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