Project/Area Number |
23K11506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
森 貴久 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (90367516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 誉士 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (70637933)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | カンムリウミスズメ / コアエリア / 潜水行動 / 神子元島 / 洋上風力発電 / 生態学的重要海域 / Sensitivity map / バイオロギング |
Outline of Research at the Start |
洋上風力発電は再生可能エネルギーのひとつとして今後さらなる発展が見込まれるが,海鳥の生息地や採餌域の質的低下,ブレードへの衝突などのリスクが懸念されている。ある洋上風力発電の建設予定海域には,天然記念物で絶滅危惧種のカンムリウミスズメの繁殖地がある。本研究では本種の繁殖期における採餌生態を高精度で解析し,重要海域を特定してSensitivity mapを作成することで,本種の保全への洋上浮力発電のリスクを評価し,両立のためにどのような実効的な対策を立てられるかを検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
伊豆半島下田沖の神子元島で繁殖するカンムリウミスズメにGPS・潜水深度ロガーを装着して,本種の採餌域と潜水行動を調べた。採餌トリップに出かける7個体を捕獲して,合計143時間分の採餌行動を記録した。潜水行動は309回だった。 記録された各個体の位置記録からカーネル法で算出した95%のコアエリアの面積は3.2~77.5km2(平均35.9km2)で,水深250m以浅の海域が行動圏だった。全個体の位置記録から算出した95%のコアエリアは島を中心に東西6km,南北3kmの範囲で,海域の特徴として浅い陸だな斜面から急に200mほど落ち込む海底地形のところでの潜水が多かった。 潜水行動が記録された4個体について,潜水の日周性を見ると,主に日中に潜水していて,薄明薄暮にも数回の潜水がみられたものの,夜間の潜水は記録されなかった。日中の潜水記録からは,とくに潜水回数が多い時間帯は認められず,明確なバウト(集中的に潜水を繰り返す行動)も認められなかった。各個体の平均潜水深度は3.0~4.0m,最大潜水深度は6.9~13.1mで,平均潜水時間は8.2~11.1秒,最大潜水時間は16~40秒だった。 これまでの調査で得られた結果を総合すると,神子元島で繁殖するカンムリウミスズメの行動圏は,洋上風力発電の設置計画海域の東南部と大きく重複していた。実際に記録された潜水深度と潜水時間から,神子元島で繁殖するカンムリウミスズメは浅い水深に散在して分布する餌生物を捕食していることが示唆された。また,頻繁に利用するコアエリアは,東西方向に広がる傾向があり,潮流の方向との関連が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに。位置情報データを7個体分,潜水行動データを取得できたのは4個体分得られている。位置情報データについては,初年度に予定していた個体数(9個体)に足りなかったものの,sensitivity mapの作成にはおおきな障害はない。潜水行動のデータについては当初予定よりも少ないが,採餌行動の概要を知るための予備的なデータとしてはじゅうぶんに役立つ。これらの結果にもとづいて,基本となる一次的なsensitivity mapのモデルを作成することができるので,おおむね順調だったと判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度については,ひきつづき野外調査をすすめて,本種の繁殖期における海域利用について3次元的なデータを取得する。また,2023年度のデータをもとにsensitivity mapの一次モデルを作成して,これに2024年度のデータを追加してより詳細で高精度のモデルを作成する。
|