Project/Area Number |
23K11519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
木田 真人 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90635814)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | クラスレートハイドレート / 自然冷熱 / 地域余剰メタン / 二酸化炭素 / ガス貯蔵 / 地域脱炭素 |
Outline of Research at the Start |
地域での利活用が求められているメタンを主成分とするバイオガスや温泉付随ガスは、発生量の調整の困難さや有効利用方法が未確立であることにより、余剰ガスが発生するという問題がある。本研究は、この「地域余剰メタン」の貯蔵媒体として「包接水和物」を活用するための原理の解明を行う基礎学術研究である。 本研究では、包接水和物の分解特性を調査し、自然冷熱を利用して制御可能な温度環境での包接水和物のガス貯蔵安定性を解明する。これにより、包接水和物が持つガス貯蔵機能を高度化し、省エネルギー的な地域余剰メタンの貯蔵のための「包接水和物の結晶機能活用指針」の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
メタンを主成分とするバイオガスや温泉付随ガス等の地域余剰メタンの貯蔵媒体として、クラスレートハイドレート(CH)を活用するための原理の解明を行うため、CHのゲスト分子となるテトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)の水溶液をからメタンおよびCO2をそれぞれ包蔵したCHを生成し、その分解挙動評価を実施した。 メタン-TBAC系CHの場合、TBACハイドレート(TBACh)単体の分解温度である15℃より低い温度域では、メタンをTBAChに包蔵させた時の圧力から大気圧力まで減圧すると、ハイドレート結晶の分解によるメタンの放出が認められた。しかし、予め定めた48時間を経過するまで結晶内にメタンが残存し、本来の熱力学的不安定条件であるにもかかわらずメタンを準安定的に貯蔵できる可能性があることが示唆された。一方、15℃以上の温度では、系内圧力を大気圧力まで減圧すると、全ての結晶内のメタンが放出された。以上より、15℃以下では、熱力学的に安定に存在できるTBAChがメタンの拡散を抑えるカプセルの役割を果たしていると考えられる。 CO2-TBAC系CHの場合、15℃以下ではメタンの場合と同様に、大気圧力まで減圧すると結晶の分解によるCO2の放出が認められたが、48時間を経過するまで結晶内に準安定的にCO2が残存することが分かった。これは、メタンと同様に本来の熱力学的不安定条件であるにもかかわらず、CO2の拡散がTBAChによって抑制されることを示唆している。15℃以上の温度では、大気圧力まで減圧すると、結晶中のCO2の大半は放出されるものの、TBAChの分解温度以上であるにもかかわらず、結晶中にCO2がわずかに残存することを明らかにした。これは、結晶中に熱力学的安定性の異なるCO2-TBAC系CHが共存していたことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、メタンおよびCO2を大気圧力近傍の氷点以上の温度域という比較的マイルドな条件下で準安定的に貯蔵できる可能性を示し、自然冷熱とCHを利用したガス貯蔵方法を検討する上で重要な知見が得られた。1~2年目に予定していた純メタン系および純CO2系クラスレートハイドレートのガス貯蔵安定性の解明および貯蔵安定性に及ぼす影響の解明について、当初の予定通りにおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
純メタン系および純CO2系クラスレートハイドレートのガス貯蔵安定性の解明および貯蔵安定性に及ぼす影響の解明に向け、今後は、他のクラスレートハイドレートを生成するゲスト分子を対象とし、そのガス貯蔵安定性を評価することとする。
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