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マイクロバイオーム解析によるアライグマのヒトへの人獣共通感染病原体伝播リスク解明

Research Project

Project/Area Number 23K11532
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

橋本 武博  大分大学, 医学部, 助教 (70895862)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小宮 幸作  大分大学, 医学部, 教授 (50727550)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
KeywordsSTTS / 野生動物 / 抗体保有率 / Direct real time RT-PCR / マイクロバイオーム解析 / アライグマ / 人獣共通感染病原体
Outline of Research at the Start

近年、大分県ではアライグマによる鳥獣被害が問題となっている。新興・再興感染症はアライグマなどの野生動物から持ち込まれることが非常に多いとされている。大分県では代表的な新興・再興感染症として重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告が多く、アライグマはSFTSウイルス(SFTSV)に対する高い抗体陽性率を有することが既に報告されている。そこで本研究では、大分県内でのアライグマにおけるSFTSV保有率、分子疫学的解析、抗体保有率を包括的に把握する。さらに新たな病原体の探索を網羅的に検索し、感染症リスクの解明を目的とする。

Outline of Annual Research Achievements

大分県内に生息する野生動物、ペットにおけるSFTSV感染状況の調査および簡易かつ迅速にSFTSを診断できる方法を構築した。
2010年1月から2024年1月までに大分県内で捕獲したシカ289例、イノシシ382例、アライグマ166例、野生犬57例、飼育犬568例、飼い猫286例を対象とした。抗体保有率はELISA法を用いて評価し、吸光度のcut off値はシカ、イノシシは平均値+4標準偏差(SD)、犬、アライグマ、猫はそれぞれ平均値+6SD、平均値+SD、平均値+2SDとした。アライグマ、シカ、イノシシ、野生犬、飼育犬、飼い猫の抗SFTSV抗体保有率はそれぞれ27、28、9.2、1.8、0.5、1.4%であった。大分県ではヒト発生例には地域差があるが、今回の野生・飼育動物の捕獲地域には偏りがあり、正確なヒト発症例と動物の抗体保有率の関連性については評価できなかった。
次に、迅速にSFTSを診断するためにdirect real-time RT-PCRの有用性の評価を行った。血清サンプル64検体を用いた。血清に処理液を加えた上で、95℃、5分間熱処理を行い、RT-PCR反応にはFastGene Scriptase II、KAPA3G plant kitおよび既報のプローブ/プライマーセットを使用した。モバイルPCR装置にはPicogene PCR1100(PCR1100)を用い、従来の機器であるLyghtCycler96を用いたconventional real-time RT-PCR法と比較した。検出時間は約90分から20分と大幅に短縮することができたが、検出精度はCt値が25.6以下であれば感度84.4%、特異度92%でウイルスを検出できる結果であった。したがって急性期であればdirect real-time RT-PCR法でウイルスを検出できると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

野生動物、ペットにおけるSFTSV抗体保有率についての検討は終わり、SFTSVを検出するためのconventional real time RT-PCR、direct real-time RT-PCR法を確立している。またオズウイルスの抗体保有率を評価するためのELISA法も確立している。以上の事実より、本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

大分県ではヒトSFTS発生例に地域差があるが、今回の野生・飼育動物の捕獲地域には偏りがあり、正確なヒトSFTS発症例と動物の抗体保有率の関連性については評価できなかった。今後も動物とヒトの包括的なSFTSV分布調査を継続する必要があると考えている。また動物からSFTSVが検出された場合、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Systemを用いてSFTSVの遺伝子配列を決定する。
すでに大分県のイノシシの血清サンプルからオズウイルスの抗体保有が確認されており、今後、大分県でもオズウイルス感染症が報告される可能性がある。SFTS診断されたヒトサンプルのうち発症7日目以降のサンプルと野生・飼育動物(シカ、イノシシ、アライグマ、野生犬、飼育犬、飼い猫)のサンプルを用いてオズウイルスの抗体保有率について検討する。抗体保有率はELISA法を用いて評価を行う。
アライグマ由来の人獣共通感染症には、狂犬病がよく知られているがSFTSの他にH4N6鳥インフルエンザウイルス、インフルエンザAウイルス、レストスピラ症、トキソプラズマ原虫、ウエストナイルウイルス、カンジダ症、リステリア症、アデノウイルス等の多くの病原体が報告されている。ナノポアシークエンスを用いて網羅的に検索し、未知のウイルスを含め野生アライグマが持つ病原体の有無について検討を行い、大分県内でのアライグマから伝播するSFTS以外の人獣共通感染症のリスクを予測し、病原体の蔓延を防止するための対策を検討する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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