Project/Area Number |
23K11535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
上園 昌武 北海学園大学, 経済学部, 教授 (00314609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 晴久 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (00526741)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | エネルギー貧困 / 燃料貧困 / SDGs / エネルギー政策 / 気候正義 / 省エネ / 光熱費 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、先進国のエネルギー貧困問題について、欧州諸国(英国・ドイツ・オーストリアなど)を事例に実態把握と社会構造的分析を行い、エネルギー貧困対策や政策の効果と課題を検証するものである。具体的には、現地調査によって、主に3ヶ国の地域特性や社会的弱者の種別・階層に基づいたエネルギー貧困の実態を明らかにし、その背景となる社会経済的な要因を抽出する。さらに、英国の低所得者向けのエネルギー企業への省エネ義務、ドイツやオーストリアの省エネ診断制度などの政策と取り組みの成果を検討する。本研究は、社会正義の実現を目指したSDGs政策研究の新たな研究領域を開拓していくことが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先進国で深刻な社会問題となっているエネルギー貧困問題について、欧州諸国(英国・ドイツ・オーストリアなど)を事例に実態把握と社会構造的分析を行い、エネルギー貧困対策や政策の効果と課題を検証するものである。具体的には、現地調査によって、主に3ヶ国の地域特性や社会的弱者の種別・階層に基づいたエネルギー貧困の実態を明らかにし、その背景となる社会経済的な要因を抽出する。 今年度は、文献調査によって、EUと英国のエネルギー貧困・燃料貧困の動向と政策のサーベイを行い、研究の論点を整理した。2000年代以降の欧州諸国でのエネルギー貧困政策や対策の成果と課題について環境政策統合という観点で克明に分析した。 英国では、2002年にエネルギー効率コミットメントにおいて、低所得者を優先して省エネ対策に取り組むことが義務づけられた。家庭部門の省エネ設備投資を促進させるために、2013年にグリーン・ディールが施行され、「エネルギー企業への省エネ義務(ECO)」が導入された。ECOの特徴は、断熱改修や省エネボイラー設備などの導入費用をその後の電気料金に上乗せする金融の仕組みがつくられたことである。さらに、ECOでは、低所得者や過疎地域の家屋の断熱化や地域熱供給への接続支援が義務づけられ、住宅などのエネルギー効率が改善され、光熱費負担の軽減が期待されている。しかしながら、対策や政策の実効性と課題については、今後の現地調査によって実態を把握していくことが研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エネルギー貧困問題に関する膨大な数の学術論文や公的報告書やデータを入手して分析し、現状把握と論点の整理を行うことができた。そして、残りの2年間で実施すべき現地調査の内容を精査することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
文献サーベイにより、現地調査で行うべき調査内容を精査できた。それを踏まえて、2024年に英国とオーストリアの現地調査を行い、2025年にドイツの現地調査を行う。研究方法は、英国、ドイツやオーストリアのエネルギー貧困の実態調査先を都市部と農村部などの基準で選定し、低所得者向けのエネルギー政策(機器類の省エネ化、住宅・建築物の断熱化)について調査先を訪問する。
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