Project/Area Number |
23K11578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
比留間 洋一 静岡大学, 国際連携推進機構, 講師 (30388219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAN Thi・My・Loan 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (10708704)
佐々木 良造 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (50609956)
天野 ゆかり 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (60469484)
道上 史絵 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80910538)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ベトナム人介護労働者 / 特定技能 / 技能実習 / 介護福祉士国家試験 / 国際労働移動 / ベトナム人介護人材 / ベトナム地域研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本のベトナム人介護技能実習生・特定技能労働者を対象に、国家試験対策講座(兼調査研究)を実施し、当事者ニーズに基づく人材育成型受入モデルを具体的実証的に評価し、実装することである。 研究方法は、ベトナム語を用いた国家試験対策講座を開催し、講座の参与観察、事前事後の日本語の読解力・漢字語彙知識の変化の客観的測定、国家試験後のインタビュー等による国家試験合否の背景分析を行うとともに、その後2年県の追跡調査(フォローアップ・インタビュー)を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究実績は主に次の2点である。 1.研究代表者(比留間)は、ベトナム人特定技能介護職者6人とともに、介護福祉士国家試験の受験要件となる実務者研修(1週間)を受講し、ラポール形成および参与観察をおこなうことができた。そのラポールを基に、6名のうち2023年度の国家試験を受験する3名と、彼女たちの監理団体の理事、および外国人介護人材のサポート事業を担当している県社会福祉協議会職員の5名の協力を得て、プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)の方法により、「なぜベトナム人特定技能介護職者にとって介護福祉士国家試験合格が難しいか」という課題の分析と、解決アプローチの抽出をおこなった。ただし、まだ1事例のため、公表するには至っていない。 2.研究メンバー全員が参加して実施した研究会では、①ベトナム語の中の漢字知識を利用して介護福祉士国家試験の漢字語彙を効率的に学ぶ教材開発について、及び、②JOPT(Japanese Oral Proficiency Test)を転用した調査研究の可能性についての議論をおこなった。JOPTは、介護分野等の日本語口頭能力を測定するために開発されたテストだが、インタビュイーの介護実践についての認識を把握するためにも有効であるという仮説をたてた。そして、研究代表者(比留間)を中心に、日本とベトナムの介護実践に関する認識の異同を明らかにするために、ベトナムの3つの民間介護施設において、介護スタッフ計14名を対象としてJOPTを活用し、ベトナム語でのインタビュー調査を実施した。収集したインタビューデータは、次年度に研究会を開催し分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラポール形成と実務者研修の参与観察は計画通り実施できた。一方、ベトナム語による介護福祉士国家試験対策講座の開催は、計画を変更して、実施しないことにした。理由は、インタビューとインターネットの調査を通して、すでにビジネスやボランティアによるオンライン講座が多数存在していることが判明したからである。そこで、次年度以降、既存のオンライン講座を対象とした調査を行う。例えば、実務者研修を通してラポールが形成できた協力者(ベトナム人特定技能介護労働者)の中にもオンライン講座の受講者がいるので、オンライン講座の効果等についてインタビューを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、主に次の2つの研究課題について、研究代表者を中心に調査を実施し、研究メンバーの参加する研究会を通してその結果を分析し、学会や論文として研究成果を公表することである。リサーチクエスチョンは、「なぜベトナム人特定技能介護労働者にとって介護福祉士国家試験合格は難しいのか」である。 第1に、研究実績に先述したPCM手法による調査の事例数をできる限り(少なくとも2事例)増やすことで、調査結果の個別性と一般性を明らかにする。また、初年度と同じ協力者を対象にPCMによる調査(2回目)を実施し、初年度(1回目)の結果との比較とその背景について分析することで、PCMによる調査の有用性を検証する。 第2に、研究実績に先述したJOPTによる収集データの分析を行い、JOPTを用いた調査研究の有用性とその限界を明らかにするとともに、ベトナムの介護施設におけるケアの認識の特徴とその背景に関する研究を行う。
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