Project/Area Number |
23K11596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Asia Center for Air Pollution Research |
Principal Investigator |
朱 美華 一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター, 大気圏研究部, 上席研究員 (00770322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青 正澄 横浜市立大学, 国際教養学部(都市学系), 教授 (00464157)
山下 研 一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター, 企画研修部, 部長 (80470152)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 気候変動 / 大気汚染 / 共同規制 / 家庭部門 / 北東アジア地域 |
Outline of Research at the Start |
2021年、北東アジアの日中韓はエネルギー消費量もCO2排出量も世界のトップ10以内にある。この3か国で家庭部門世界エネルギー消費量全体の約1/3を占め、CO2排出量の17%を占めている。一方、産業部門に比べて家庭部門は環境対策が適用され難い大きな特徴がある。中国の家庭部門のエネルギー消費データでLMDI分析を行った結果、もし家庭部門への対策を実現した場合、産業部門に比べて家庭部門における大気汚染と気候変動への対策の余地はまだ大きい事が明らかになった。本研究では、北東アジア地域の日・中・韓・蒙を対象にLMDI分析を行い、官民協働を重視した家庭部門への大気汚染と気候変動の共同規制策を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、家庭部門のエネルギー消費に起因するNOx(大気汚染物質であると共に、 PM2.5とオゾンの前駆体)とCO2(気候変動を評価する代表物質)排出量について、社会・経済・環境など多方面からアプローチをし、LMDI分析を通じて寄与要因を特定し、またその分析から北東アジア地域の4ヶ国のそれぞれの特性を考慮した効率的対策を提案することを目的としている。 上記の研究目的を達成するために、一年目である2023年度は2010-2020年までの北東アジア地域4ヶ国のエネルギー統計データだけではなく、経済指標であるGDP、社会指標である人口規模なども含む2011年から2020 年の10年を対象としてデータベースを作成した。また、家庭部門を対象にいままで実施してきた北東アジア地域の4ヶ国の環境対策をレビューした。うち、日本と韓国に関しては家庭部門への気候変動対策を中心にレビューした一方、中国とモンゴルに関しては、大気汚染に関する家庭部門の寄与が依然として大きい事から気候変動と大気汚染対策の両面から政策をレビューしている。なお、政策レビューはほぼ完成する段階まで来ている。 2023年度では、イギリスの研究財団、Wellcome TrustからLeveraging co-benefits for a healthy net-zero transitions in Japanese and other G7 cities: A scalable approach for transformative changeを題名とする研究資金を獲得(研究分担者)した以外、国際学会と環境経済・政策学会での研究発表も実現している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、2023年度は主に以下のような2つの項目の作業を進めてきた。 分析項目1:北東アジア地域4ヶ国のデータベース作成 2010-2020年までの北東アジア地域4ヶ国のデータベースを作るために、本研究では様々な情報収集手段を駆使している。各国の統計局が公開されているオンラインデータに加えて、紙面の統計年鑑(中国エネルギー統計年鑑、モンゴル統計年鑑、韓国エネルギー統計年報等)、そして国際機関であるIEA (International Energy Agency)やWord Bankのデータも併せて利用した。データベースは、エネルギー統計データだけではなく、経済指標であるGDP、社会指標である人口規模なども含む2011年から2020 年の10年を対象としてデータベースを作成した。2023年度は、 日本・中国・韓国・モンゴルの家庭部門のエネルギー消費量を対象に、研究対象期間である2010-2020より範囲を広げて2000-2020年のデータベースを作成した。
分析項目2:北東アジア地域4ヶ国の家庭部門への環境対策のレビュー 家庭部門を対象にいままで実施してきた北東アジア地域の4ヶ国の環境対策をレビューしている。それだけではなく、4ヶ国において今後実施予定である政策も併せて整理する。日本と韓国に関しては、家庭部門に起因する大気汚染があまり顕著でないことを考慮して、気候変動対策をメインにレビューした。一方、中国とモンゴルでは、大気汚染に関する家庭部門の寄与が依然として大きい事から気候変動と大気汚染対策の両面から政策をレビューしている。なお、政策レビューはほぼ完成する段階まで来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年の研究進捗に基づいて、2024年度は以下の分析項目を進めて行く予定である。 分析項目1:北東アジア地域4ヶ国のデータベース作成に基づいたLMDI分析の実施する。2023年度に作成した日本・中国・韓国・モンゴルの家庭部門のエネルギー消費量及び社会経済の指標に関するデータをLMDIモデル分析に適したデータベースに変換して後、IPCCの規定に準じて、エネルギー源ごとのエミッションファクターも併せて整理する。すべてのデータセットが整えたら、LMDIモデル分析を実施する。 分析項目2:2023年に日本・中国・韓国・モンゴルの国別に収集した大気汚染対策と気候変動対策の比較分析を行うとともに、エネルギー使用転換を促した対策をさらに抽出し、4ヶ国特徴を整理して行く。エネルギー転換は家庭部門に起因する大気汚染物質の排出量を削減する最も重要な対策であるため、各国の政策評価が計量的に評価できると期待する。 分析項目3:家庭エネルギー消費と環境対策に関する4ヶ国国民の意識分析の準備を進めて行く。2024年度は、家庭部門のエネルギー消費と環境に関する国民意識を調査するために事前準備期間として位置付け、先行研究のレビューに加えて、アンケート調査項目の雛形作成、アンケート調査法の模索などを行う。
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