Project/Area Number |
23K11616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
新井 圭太 近畿大学, 経済学部, 准教授 (60336485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 社会実証実験 / 貨客混載 / 公共交通 × 小売 / 買い物難民対策 / 産官学連携プロジェクト / IoTの社会実装 / 貨客混載事業 / 公共交通と小売事業の融合 |
Outline of Research at the Start |
本研究は現在深刻化している (1)公共交通の衰退問題 (=バス交通の減少)と、(2)買い物難民問題 (=高齢化による免許返納に起因) という2つの問題を改善することを上位の目的としている。具体的には『公共交通×小売サービス』というコンセプトにより新たな貨客混載バスをモデル化し、兵庫県における実証実験を通じて実現可能性を検証する。これは「人とモノ両方を同時に運ぶ公共交通」の提案モデルであり、国内では浸透していない。本研究では食品や生活用品を車内で販売する新たなモデルを構築することで『動く商店化』の導入を試み、公共交通の維持と買い物難民の問題を同時に改善出来るかを実証実験を通じて検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは2024年秋から、実証社会実験を本格的にスタートさせることとなった。 本科研費における研究テーマは 『貨客混載の地域実証実験』 であり、キーワードとしては 『公共交通機関 × 小売』 であり、具体的には 『地域路線バスによる物品販売による買い物難民の救済手段の策定』 である。さらに具体的に紹介すると、高齢化に伴い免許返納をせざるを得ない地域住民が急増中の中山間地域において、現在、買い物へのアクセスが厳しくなりつつある。そういった人々へのサポートを軸に、地域の公共リソースであるバスに着目し、そのバス内およびターミナルバス停スペースを利用した物品販売の可能性を提示することを主眼としている。 実行のための実証スキームとしては、産(地域交通事業者 全但バス株式会社、および神姫バス株式会社、IT開発事業者 スペースタイムエンジニアリング株式会社)・官(豊岡市役所・養父市役所)・学(近畿大学新井研究室(経済学)・大阪大学 山口研究室(情報科学))の3者によって推進する。 上述の研究目的と実行体制のもと、既に2023年度にプレ実証(アナログベースによるプレテスト)を既に行い、2024年度はデジタル技術やビジネスモデル確立に向けた車載設備、および特殊な運行管理のテストを行う。道の駅や地元商店街などのスペースを活用し、消費者の需要行動を逐一サンプリングし、彼ら彼女らの行動データを関連団体(県・市、バス会社、地元JAや納入業者、自治体、大学等)とリアルタイムでの情報共有を行う。また同時に、災害時における臨時物品提供主体として機能できるか、という点についても検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【現在までの進捗状況】 上述した研究目的のため、既にプレ実証(プレ実験)を2023度12月および2024度1月の2回にわたって実施した。場所は城崎温泉駅前(全但バスのターミナル停車場スペース)および三宮商店街内の販売スペース(神姫バスのスペース)を利用し、具体的な貨客混載物産としては但馬産のカニと野菜を販売実験した。ただ、これはまずは納入ー運搬ー説明ー販売への一連の基本的な動きをチェックするためのプレ実証であり、本格的な貨客混載実験は今年度秋からとなる。 そのための準備として、現在、大阪大学(情報科学)および阪大からのスピンオフ・テック企業(スペースタイムエンジニアリング社)加えて特殊カメラの取り扱いメーカーと協同し、ハード面(サーモグラフィカメラ、赤外線カメラ、LiDAR等)の購入手続きと設置準備、同時にソフト面(データ格納用PCの車内取り付け、アップするデータ切り出し作業用のメインPCの車庫への設置)を進めている。また、将来的にクール便需要を取り込んだビジネスモデルの確立のために、冷凍保存と運搬技術のすり合わせも行っており、秋の本格実証にそなえ準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後のすすめ方】 まず実験フィールドに関しては、豊岡市内の道の駅(神鍋高原)を重要な実験フィールド候補地に決定した。次に、コンテンツとして、京阪神の有名スイーツがあれば需要者の消費行動が拡大するため、具体的には阪急百貨店との協働を現在調整中である。次に売上管理システムについては、前回のプレ実証と同様に『スマレジ』を採用する(月800円の課金なので安く運用できるため)。 次にハード面であるが、まず機材面については ① 販売用の棚を事前に準備必要(=プレ実証では現場での設営が大変だったため)、および ② 冷蔵冷凍庫の設置が必要なため、荷室の空間利用や貨物車への搭載状況を検討する。 推進にあたってチェックが必須となる法規制については、①販売自体はOKであることを既に経済産業省から確認済み(ただしカニの試食などはNG・食品に手で直接触れることはできない)、および ② 350Kg未満なら貨物の販売目的は可であることも確認済みなため、法的なネックはクリアしている。 最後に、今後のマネタイズを視野に入れたビジネスモデルに関して、数年後を見据えて、クール便の公共交通利用モデルを目標とする。これは現在、零細トラック輸送企業による問題が急増中(例:クリスマスケースの温度管理不足による配送時の品質トラブルなど)であることから、発注者にとっては公共交通事業者の参入はきわめて信頼性の高いものとなる。このことから、『新規ビジネスモデルの構築』が可能となり、本研究の上位の目的である『人口減少期における地域バス事業者の新規ビジネスモデルの構築』へと直結する。したがって秋以降の本格実証を慎重に、かつドラスティックに進めることとしたい。
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