Project/Area Number |
23K11630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
山川 和彦 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (30364904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 民定 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (30400807)
藤井 久美子 東洋大学, 経営学部, 教授 (60304044)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 地域語 / 言語政策 / 観光資源 / 文化の持続性 / 地域語・方言 / 観光資源化 |
Outline of Research at the Start |
観光地では、挨拶表記などで地域語の活用が確認できるが、観光資源としての認識はない。本研究は、地域社会の持続性を損なうことなく地域語の継承を担保しつつ、地域語の観光資源化の可能性を探る。主たる研究対象地域を沖縄県石垣市とし、地域語の活用が進む韓国済州島、逆に活用が少ない台湾の事例を比較対象として、観光文脈での地域語の活用方法を実証していく。その際、観光関連企業、地域語普及活動者、高校生の協力を得ながら、言語管理理論を援用する。地域語の真正性と観光は対立する危惧があることから、言語学と観光学の両面の研究・実践知識を有するメンバーが研究に当たる。そして研究成果をもとに地域語活用手引を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄県石垣市を事例として地域語(以下スマムニとする)の観光資源化の可能性を研究するものである。国内事例の掌握と合わせて、地域語の活用が進む韓国済州島の事例と、逆に活用が少ない台湾の事例を比較対象としている。 研究初年度は主として石垣市での調査活動を行った。そもそも石垣市では地域語という認識がなく、日常生活では標準語が普通に使われている。そこで地域語の観光資源化のためには、いわば実験的な仕組みを用意して、観光客や観光事業者の反応を調査するという手法になる。その結果、次の3点の研究を実施した。①石垣市内にある高校において、「スマムニでおもてなし」と称した授業を、担当教員と協議しながら計画、実施した。これは高校生が、飲食店などの事業者を訪問して、スマムニによる接遇などを聞き取りし、スマムニを使用したツールの制作、提案を行う活動であった。この活動を支援することで、高校生のスマムニへの思い、事業者の様子を掌握してきた。②石垣市内のホテルの協力を得て、ホテル内にスマムニの掲示などを行い、それに対する宿泊者の感想などを聞くアンケート調査を行った。観光地の言葉が観光客にとって重要であることが確認された。これに関しては、2024年中に学会報告などを行うべく、分析を行っている。③ホテルでの調査と併せて、スマムニ語形を店舗名につけた事業者の実態把握(時系列的な増減、地理的分布など)を、地元高校の教諭、生徒と共同して調査を行った。この調査では命名理由などのインタビューも実施した。この結果は2024年6月に学会発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時に記載した初年次の研究計画に関して、7割程度の研究活動が実施されている。研究代表者の活動として提起した石垣市における地域語の観光客への認知に関する実証実験に関しては、年度末までにアンケートデータの収集も終わり、学会発表に向けて準備が整いつつある。一方で、石垣以外の観光地での方言利用に関しては、現時点で断片的に情報を収集している状況にとどまっている。 また、比較対象とする韓国および台湾での事例研究が、現時点で十分に整っていない。その理由として渡航日程の確保が困難だったことがあげられる、しかし、調査するための関係性は築けているので、2年目に集中して作業を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の中心的なフィールドである石垣市の事例に関しては、一年目に収集したデータの分析、発表を進めると同時に、そのアンケートから見えてきた事項に関して、さらなる調査を行うべく、関係者と協議を進めている。他地域での言語の観光資源化に関しては、いくつかの離島を、観光協会などのホームページ調査、その中で有益な情報がある地点の訪問調査を計画している。また比較対象である済州島、台湾の事例に関しては、分担者との情報交換を密にすることで、調査の実施を確実にしたい。 研究の発表に関しては、石垣市のスマムニ普及活動団体の事業での報告、年度末には公開発表会を予定している。
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