「持続可能な観光」に向けた地域経営手法の研究:タイ北部ナーン県の実証分析を通して
Project/Area Number |
23K11633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
谷脇 茂樹 玉川大学, 観光学部, 准教授 (10835119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雄馬 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (10795488)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 持続可能な観光地域づくり / Community Based Tourism / 地域内産業振興策 / エコシステム / 観光政策 / タイ / コーヒー / タイの観光政策 |
Outline of Research at the Start |
日本では、地域における観光振興の舵取り役として、DMO(観光地域づくり法人)の設置が進められている。しかし、DMOは、政府の補助事業の実施が事業の柱となっていて、地域内の産業・雇用の創造に寄与し、地方創生を推進する持続可能な観光地域づくりの役割を担えていない。 本研究は、タイで取り組まれているCBTが、地域の産業・雇用の創造と地域経済への波及効果、持続可能な観光地域づくりにどのような影響を及ぼしているのか、検証することを目的としている。CBTの取り組みを複数年にわたって分析し、CBTが地域の経済・社会にどのような効果をもたらせているのかを検証することで、これからの観光地経営のあり方を導き出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タイの観光地域政策であるコミュニティ・べースト・ツーリズム(CBT)が、持続可能な観光地域づくりに寄与するものなのかどうかを検証することにある。また、地域内の産業・雇用の創造といった地域経済への波及効果、地域コミュニティの再生に向けた地域経営手法のあり方を導き出すことを目的としている。 2023年度は9月に調査対象地域であるタイ北部のナーン県を訪問し、3年間の継続調査先となるCBTの確保につなげた。現地調査では、タイのCBT政策を進める持続的観光特別地域開発管理機構(DASTA)本部と観光プロモーションを担うタイ政府観光庁(TAT)本部の事前調査をもとに、ナーン県内にあるそれぞれの地域事務所を訪問し、現地での取り組みについて聞き取り調査を行った。そして、CBTが地域のコミュニティ創造のツールになっていることに着目し、ナーン県内の山岳エリアにあるプア市サカート村とトゥンチャーン市マニープルック村の2カ所の山岳民族のコミュニティ調査と、継続調査に対する協力を得ることができた。コーヒー豆の植樹から収穫、焙煎、販売までを地域が一括して行い、集落内にはカフェやホームステイの建設が進むなど観光創造、観光地域づくりの現場を調査先として確保することができた。 また、今回の調査期間中に開催されたDASTAナーン事務所主催の観光フォーラムや、コーヒーのバリスタコースを持つ現地のコミュニティカレッジが計画中のモニターツアーにオブザーバーとして参加し、コーヒーがナーン県内の産業エコシステムの構築につながっている可能性について考察する機会を得た。 以上のように、2023年度は1度のフィールドワークを実施したが、DASTA本部とTAT本部での事前調査、文献調査で得た情報、そして、今回のフールドワークを通して、タイのCBTに関する理論的な枠組みについて整理を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、申請時に提出した調査計画の予定通り、調査先であるタイ北部ナーン県を訪問した。そして、現地にある政府機関「DASTA」と「TAT」のナーン事務所との関係を構築し、研究への理解と協力を得ることができた。また、ナーン県内の山岳エリアにあるプア市サカート村とトゥンチャーン市マニープルック村の2カ所の山岳民族のコミュニティを本研究の調査先として確保することができ、これまでの取り組みや必要となる基本情報・データを収集することができた。さらに、地域内の産業・雇用の創造といった地域経済への波及効果を分析するという視点から、コーヒーに着目して本研究を進める道筋ができ、現地のコミュニティカレッジや研究者らとのネットワークの構築につながった。 なお、初年度となる2023年度は、これまでの事前調査と文献調査、そして、今回のフィールドワークから得た知見をもとに、タイの観光政策とCBTに関する取りまとめを行い、国内の学会で発表した。 以上の通り、研究課題の内容に沿った成果を上げつつあり、本研究は概ね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は、前年度の調査をもとに、引き続きタイ北部ナーン県の2つの山岳民族のコミュニティで参与観察的調査を実施する予定である。また、前記の2つのコミュニティと類似のコーヒーを通した取り組みを展開する、政府支援によるCBTと民間企業支援によるCBTの2つのコミュニティを新たに調査先として加える。現地のコミュニティと支援機関へのフィールドワークを通して、それぞれの取り組みの特徴や地域ごとの違い、問題点・課題の整理を行うことにしている。 さらに、ナーン県中心部のカフェの設置状況やコミュニティカレッジの取り組み、県内のコーヒー関連産業の状況についても調査を継続し、コーヒーによるナーン県内の産業エコシステムの分析を進める。 そして、上記で得たフィールドデータをもとに分析・考察を進め、学会発表や論文作成を行い、研究成果の公開に努めることにしている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)