Project/Area Number |
23K11656
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮城 博文 日本大学, 国際関係学部, 准教授 (30634521)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 危機後の観光 / レジリエンス / 観光市民 / 観光客への態度 / 観光従事者 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、観光従事者における観光客への知覚、並びに当該従事者の居住地域での観光振興へのサポート意図に繋がる要因を明らかにすることである。当該目的を達成するために、本研究では定量・定性、双方から分析する。具体的には先行研究レビューと定性調査をもとに分析モデルを構築し、その上で定量分析を実施する。地域の観光振興に対するサポート意図に関してこれまで行われていた地域住民視点の先行研究と異なり、本研究では、観光従事者が所属先で観光客と接する際に知覚する「従業員視点」と、地域の観光開発に対するサポート意図といった「地域住民視点」、これらの視座を導入していることが独自性、創造性であると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、観光従事者における観光客への知覚、並びに当該人材の居住地域での観光振興へのサポート意図に繋がる要因を明らかにするものである。昨今のウィズ・アフター・コロナの中で、地域の観光や観光関連業界の現状を理解し、地域の観光振興をサポートする「観光市民」としての地域住民の在り方が重要となっている。しかし、観光従事者の観光振興へのサポートに繋がるプロセスは明らかではない。そこで、2023年度は以下の通り研究を実施した。 ①先行研究レビュー:観光地での観光経験は、ホスト側と観光客との社会交換によって成り立っている。そして、社会交換に関する理論、並びに業務で観光客との接点となっている観光従事者における観光振興へのサポートに繋がるプロセスに関してレビューを行った。その結果、観光従事者は、観光客と直接的かつ密接に接触しているため、質の高い経験を提供していることが明らかとなった。ただし、観光従事者が国内外の観光客をどのように認識しているか、観光・非観光従事者の間で、観光に対する知覚がどのように異なるのか、そしてコロナ禍において地域住民の観光に対する認識がどのように変化したのかについては、十分な注意が払われてこなかった。 ②探索的な定量調査:上記①の特に、コロナ禍における地域住民の観光に対する認識に着目し、沖縄県在住の若年層における観光に対する住民の支持意向に関する実証研究を行った。その結果、支持意向の変数と観光政策および関連機関への信頼の間に直接的かつ正の関係があることが明らかとなった。同時に経済と社会・文化的インパクトに対する住民の知覚は、コロナ禍の時期によって異なっていた。 これらの研究結果を踏まえ、2024年度は観光関連従事者や研究機関の専門家の協力を仰ぎながら、定量・定性調査を、行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、観光従事者(ホテル・レストラン従事者、土産店等の小売業者 他)における観光客への知覚と、当該人材の居住地域での観光振興へのサポート意図に繋がる要因を明らかにすることである。本目的を達成するために、2023年度は「①先行研究レビュー」、「②探索的な定量調査」を行った。 ①先行研究レビュー 観光地での観光経験は、ホスト側と観光客との社会交換によって成り立っている(Ap, 1992)。そして、社会交換に関する理論、並びに業務で観光客との接点となっている「プロフェッショナル・ホスト」である観光従事者における観光振興へのサポートに繋がるプロセスに関してレビューを行った。その結果、観光従事者は、観光客と直接的かつ密接に接触しているため、質の高い経験を提供していることが明らかとなった。同時に、観光従事者は、地域における観光の経済的・社会的な重要性を理解しているため、観光開発に対するサポートを地域の非観光事業者以上に、行っている可能性がある。ただし、観光従事者が国内外の観光客をどのように認識しているか、観光・非観光従事者の間で、観光に対する知覚がどのように異なるのか、そしてコロナ禍において地域住民の観光に対する認識がどのように変化したのかについては、十分な注意が払われてこなかった。 ②探索的な定量調査 上記①の特に、コロナ禍における地域住民の観光に対する認識に着目し、沖縄県在住の若年層における観光に対する住民の支持意向に関する実証研究を行った。その結果、支持意向の変数と観光政策および関連機関への信頼の間に直接的かつ正の関係があることが明らかとなった。同時に経済と社会・文化的インパクトに対する住民の知覚は、コロナ禍の時期によって異なっていた。 上記の研究過程で、2023年度は他の研究者や観光関連従事者と意見交換をすることが出来た。これらのネットワークを生かして、研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の1年目は、「①先行研究レビュー」を通じて、ホスト側と観光客との社会交換が成立する条件、並びにホスト側の中でも特に観光従事者における観光振興へのサポートに繋がるプロセス、これらの分析視座を理論的に整理した。また、「②探索的な定量調査」において、「①先行研究レビュー」から得られた分析視座を基に探索的な調査を実施した(「②探索的な定量調査」)。 これらを踏まえ、研究2年目は、「定量調査」「定性調査」を実施する。「定量調査」であるが、前述した1年目に実施した先行研究レビューと探索的な調査の結果と課題を踏まえ、観光従事者における観光振興へのサポートに繋がるプロセスの解明を行う。その際、サポートに起因する因子として、先行研究から抽出した「観光開発への態度」「観光を通じたインパクト(経済、社会・文化的・環境)」「観光政策・行政・企業へのイメージ」「地域への愛着」「地域への危機(自然・社会・経済)」等とし、分析を行う。同時に、これらの分析を観光関連従事者・非観光関連従事者間を比較し、それぞれの傾向を考察する。そして、「定量調査」で抽出した結果を基に、インタビュー調査を行うことにより、より具体的にサポートに繋がるプロセスを深く探っていく。具体的には2023年度に、静岡、沖縄や鹿児島の離島で構築した、観光関連従事者や研究機関の専門家の協力を仰ぎながら、上記の調査を、行っていく。これらの調査を通じて、観光従事者における観光振興へのサポートに繋がるプロセスの解明を行っていく。
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