Project/Area Number |
23K11669
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
|
Research Institution | Norinchukin Research Institute Co., Ltd |
Principal Investigator |
佐藤 彩生 株式会社農林中金総合研究所, リサーチ&ソリューション第1部, 主事研究員 (70866996)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 観光まちづくり / 観光むらづくり / 農泊 / グリーン・ツーリズム / ブリコラージュ / 包括的な地域課題解決 / 地域課題解決 / 人的資源 / 主体論 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、包括的な地域課題解決に資するグリーン・ツーリズム(GT)の在り方を主体論から論じ、さらに実践モデルを提示することである。GTに関する既往研究では、GT自体の運営等の持続性に軸が置かれていたが、本研究では農村全体の地域課題解決の方法の一つとしてGTを捉える。具体的には、農泊地域のなかから、GTを活用して包括的な地域課題解決に取り組んでいる地域を抽出し、これらの地域において人的資源に着目し、どのような専門性(ノウハウ、スキル等)を持つ主体が連携しあい、どのように包括的な地域課題解決に寄与しているのかを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、包括的な地域課題解決に資するグリーン・ツーリズム(GT)の在り方を主体論から論じ、さらに実践モデルを提示することである。 当該年度は、(1)農泊地域への現地調査および(2)農泊地域へのアンケート調査を実施する計画であった。(1)は、北海道二海郡八雲町、岐阜県中津川市加子母地区、宮城県仙台市秋保地区の農泊地域への調査に加え、青森県鯵ヶ沢町、山形県米沢市、宮崎県椎葉村の農泊や観光に関する取組みの視察および、農協の都市農村交流に関する取組みの調査を行った。一方、(2)については、複数の農泊地域等の現状を踏まえたうえでアンケート設計を行う必要性があると判断して延期し、代わりに(3)教育旅行受入団体へのアンケート調査や既存データの整理、文献整理等に注力した。 当該年度の研究成果として、(1)に関して、加子母地区の事例を12月の農村計画学会にて報告し、そこで加子母地区の観光まちづくりの取組みの特性として、非専門性、既にいる人材のスキル発揮、多義性(地域運営と観光の両立)を析出し、そこから「人材のブリコラージュ」という概念を導き出した。(3)では、農村計画学会『農村計画学会誌』の特集論考にて、既往研究のレビューから農村の観光むらづくりの現局面と今日的課題を示した。また、教育旅行受入団体のアンケート調査や既存データの分析結果等を「農林金融」や「農中総研 調査と情報」にて公開した。 これらの成果から、包括的な地域課題解決に資するGTの主体や取組みにおける現状把握や課題の整理、および包括的な地域課題解決に資するGTの実践モデルの構築の示唆として人材やスキル、多義性といった要素の析出が行えた。さらに、該当年度における調査等から、今後実施予定の農泊地域へのアンケート調査の設計に資する情報を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、コロナ禍を経て農泊地域の各地で活動が再開されるさなかにあった。そのため、農泊地域へのアンケート調査の実施にあたっては俯瞰的に農泊地域の現状を把握し、それらの情報を基にアンケートの設計を行う必要があると判断し、農泊地域へのアンケート調査の実施を延期した。 一方で、現地調査や視察、教育旅行受入団体へのアンケート調査や既存データの整理、文献整理等より、学会報告や学会誌への寄稿、刊行物へのレポート掲載などを行うことができた。これにより、包括的な地域課題解決に資するGTの在り方の論点整理や実践モデルの構築にむけた分析を進めることができた。 以上から、研究計画に一部変更はあったものの、本研究は総合的にみるとおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も農泊地域を中心に農村の観光まちづくりに関わる現地調査を継続して実施し、当該年度に延期した農泊地域へのアンケート調査および分析を実施する。現地調査で得られたデータについては質的分析ソフトなどを、アンケート調査のデータについては統計ソフトなどを活用し、包括的な地域課題解決に資するGTの在り方の実践モデルの構築を進めていく。調査と分析については、具体的に次のように進める。 第一に、当該年度も調査を実施した農泊地域の調査とそのとりまとめを行う。特に、農村の観光まちづくりにおける人材やスキル等に着目したGTの実践モデルの構築の研究を進める。 第二に、当該年度に実施できなかった農泊地域のアンケート調査を実施しその分析を行う。ここでも、人材やスキルに着目し、また当該年度で得られた農泊地域の現状や課題を踏まえてアンケート設計を行い分析することで、より俯瞰的にGTの実践モデルの構築における示唆を得る。 第三に、農泊地域へのアンケート調査から得られたデータを基に、継続的に現地調査を行っている農泊地域以外で包括的な地域課題解決に資するGTに取り組む農泊地域を析出させ、現地調査を実施する。これにより継続調査を行ってきた農泊地域との人材やスキルなどの特性の相違や共通性を見出し、GTの実践モデルの構築におけるさらなる示唆を得る。 以上の3つの調査における研究成果の公表を進めることで、最終年度に向け、包括的な地域課題解決に資するGTの在り方について、人材やスキルから課題にアプローチし、実践モデルの構築を目指す。
|